一日一部屋のみ1,500円が残っている不思議な「ホテル和香」【はんつ遠藤の大阪・西成C級ホテル探検(7)】

連載、「はんつ遠藤の大阪・西成C級ホテル探検」も、気がつけば7回目だ。以前から西成のホテルに通っていると、3,000円クラスの高級西成は素晴らしく、1,000円程度になるとそれなりという図式はあるものの、中には掘り出し物的に、いわゆるコスパの良い格安ホテルが存在していて面白い。

5月某日。今回も仕事で大阪へ向かうことになり、宿は安定の西成を選んだ。

午後6時前、いつもの動物園前駅へと到着した。大阪は緊急事態宣言中ゆえに、飲食店でアルコールの提供が禁止されている。やはり、売上が見込めないのであろう。西成の有名居酒屋なども軒並み休業し、いつもはそれなりの活況を呈している時刻にも関わらず、街全体が静けさを醸し出していた。

向かった先は、ホテル和香(わこう)。動物園前駅9番出口から徒歩約3分。南北に走る堺筋の西側で、まさに“The 西成”という地に佇むが、向かいが西成警察署という立地もあって、従来から安心と言われ、人気のあるホテルだ。

他にも長所も多い。チェックインは午前11時から。最終は午前0時まで。フロントも24時間常駐など。短所としてはチェックアウトが午前9時までと少し早いが、早めに出発して付近を散策するのも悪くない。なので、僕自身も数回、利用させていただいている。

玄関は自動ドアで、西成にしては、わりと広めのロビー。右側がフロントで、左側がシューズボックス。玄関でスリッパに履き替えるスタイルだ。いつもフロントのスタッフの方々は丁寧で、人が良さそうなのも人気の所以だろう。

こちらでは、1,000円のデポジット(預り金)を渡して部屋のキーを受け取るシステム。チェックアウト時にキーと引き換えに返金される。「靴は部屋にお持ちになったほうが良いですよ」というので、指示に従った。

ホテル和香は、通常だと1泊1,700円(税込)。だが、今回はラッキーなことに「一日一室限定」がまだ空いていて、1,500円(同)だったのも久々に宿泊した理由のひとつ。エレベーターで5階へと上がり、部屋へ向かった。

部屋はいわゆる3畳一間だ。柱のために少し欠けているが、靴を置ける玄関などがあるので、実際は3畳より少し広い。

畳敷きで布団タイプの、和室の部屋。冷蔵庫もテレビもエアコンもある。ハンガーも3本。コンセントは2つ。しかもフリーWi-Fiが飛んでいて、インターネット環境もある。簡単に言えば、何の申し分も無い。

今回のような価格帯ではエアコンが無い部屋やインターネットの電波が悪いところなども多いが、きちんとしているのが和香だ。ちなみに、エアコンのリモコンはフロントで渡された。

ただし、欠点もある。それはアメニティが全くないこと。歯ブラシ、シェーバーはおろか、タオルすら無い。西成では良くあるスタイルなので、あらかじめ予習が必要だ。

さて、館内探索と行こう。

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