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ミドリムシ由来のバイオ燃料で民間航空機が初飛行 ユーグレナ、定期便への供給も目指す
ユーグレナは6月29日、藻類などから製造したバイオジェット燃料「サステオ」を使用した民間航空機でのフライトを初めて行った。今後、一般向けチャーターフライト用などに供給を始め、普及に取り組む。
同社は2010年からバイオ燃料の研究開発を行っており、2018年には横浜市にバイオ燃料の製造実証プラントを建設。今年3月にユーグレナ(微細藻類)や使用済み食用油等を原料とするバイオジェット燃料の製造に成功し、ブランド名を「サステオ」とした。「サステナブルなオイル」が由来だという。バイオジェット燃料の国際規格「ASTM D7566 Annex6」に準拠しており、既存のジェット燃料と混合することで民間航空機での使用も可能となっている。
6月29日に行われた民間航空機での初フライトには、Japan Biz Aviation(JBA)が運航するプライベートジェット機「ホンダジェットエリート」を使用。石油系燃料に「サステオ」を約5%加えた混合燃料を搭載した。ユーグレナの出雲充代表取締役社長らを乗せたフライトは、午前11時に鹿児島空港を離陸。約90分間の飛行を経て羽田空港に到着した。
初フライトを終え羽田空港で会見を開いた出雲社長は、「(研究開発を始めた)11年前に思い描いてきたことが実現できた」と感無量の表情を浮かべながらも、国産バイオ燃料普及状況について「遅れている」と指摘。海外産バイオ燃料でのフライト実績が世界で約34万回に上る(6月28日時点)のに対して、国産バイオ燃料は数回に留まっていると説明し、「今から追いついて、追い越さなければいけない」と強調した。4年後をめどに年間25万キロリットルの製造能力を持つ商業プラントを建設し、まずは国内での普及を目指すという。
同社はまた、2021年秋のサービス開始を予定しているホンダジェットエリートの一般向けチャーターフライトに、使用燃料として「サステオ」を選択できるオプションを設定すると発表。初年度は年12回程度の利用を見込む。
当初はチャーターフライトでの使用となるが、2050年までのCO2ネットゼロ(二酸化炭素排出量実質ゼロ)に向け、将来的には定期便を運航する航空会社への供給も目指す。出雲社長は「どのタイミングで使うかは航空会社側の判断」としながらも、「絶対にやらなければいけない。積極的な提案をしていく」と力を込めた。