ANAホールディングス、4〜6月期は511億円の最終赤字 通期予想は据え置き

ANA(ボーイング777-200型機など、JA713A)

ANAホールディングスは、2022年3月期第1四半期(2021年4月〜6月)の決算を発表した。

売上高は1,989億円(前年同期比63.6%増)、営業費用は2,636億円(同6.1%減)で、646億円の営業損失、511億円の最終赤字(前年同期は1,088億円の最終損失)を計上した。

国際線では、旅客収入は129億円、旅客数は13.1万人、利用率は19.8%となった。全方面に旅客需要が大きく低迷しているものの、海外赴任や帰任需要、アジア発北米行きの接続需要の取り込みにより、旅客数、収入ともに前年同期を上回った。

ANAブランドの国内線では、旅客収入は502億円、旅客数は320万人、利用率は42.7%となった。旅客収入、旅客数ともに前年同期の2倍を大きく超えた。運航規模の調整を継続しており、ワクチン接種に伴う需要の回復状況を見極めて対応していくとしている。

貨物では、貨物収入は国際線が660億円、国内線が59億円となった。国際線で貨物専用便を積極的に設定したことや、日本・アジア発の自動車部品、半導体・電子機器のほか、北米発のアメリカンチェリーなどの季節商材を積極的に取り込んだことから、収入は四半期ベースで過去最高となった。

LCCでは、収入は39億円、旅客数は49.8万人、利用率は46.8%となった。4月に国内線の運航規模をコロナ前の水準以上に拡大させたものの、緊急事態宣言などにより5月以降は減便を実施するなど、需要に合わせて運航規模を調整している。

マイレージや機内販売、整備受託収入などの航空事業のその他の収入は293億円となった。航空関連事業は51億円の営業利益、旅行事業と商社事業はそれぞれ1億円の営業損失を計上した。

4月30日に発表した連結業績予想は据え置いた。