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道産トウモロコシを収穫当日に首都圏へ ANAら、「鮮度」にこだわる物流サービス開始
ANA Cargoは丸和運輸機関と連携し、航空輸送とトラック輸送を組み合わせ、北海道産のトウモロコシを収穫当日に首都圏のスーパーで販売できるように届ける取り組み「鮮度直」を始めた。
このプロジェクトでは、北海道芽室町で未明から早朝に収穫されたトウモロコシ「ゴールドラッシュ」を真空予冷した後、新千歳空港に運んで保冷コンテナに搭載。日中の旅客便の貨物スペースを使って羽田空港に輸送し、そこから保冷コンテナのままトラックに積み替えて小売店に直接納品することで、収穫当日の夕方には店頭で販売することが可能となる。商品にはANA便で空輸したことを示す「Transported by ANA Cargo」のロゴを貼付して鮮度をアピールする。
初日の8月16日は、午前1時頃から収穫されたトウモロコシを新千歳空港午後0時30分発のNH62便で空輸。同2時10分に羽田空港に到着し、同4時30分頃には千葉県市川市のスーパーの店頭に並んだ。初日はこのスーパーなど3店舗に910本を届け、期間中8日間で首都圏や関西圏に計約18,000本を輸送する。
従来の一般的なトラック輸送のスキームでは、北海道から本州への輸送は船便で行い、物流センターや市場を経由して運ばれるため、首都圏の店舗に納品されるのは最短でも収穫から3日目となる。さらに遠方の関西圏の場合は4日を要していた。また、市場では冷蔵設備がない場所で一時保管されることもあり、鮮度が求められる農作物は品質劣化の懸念もあった。一方「鮮度直」では、空輸と陸送を組み合わせて保冷コンテナのまま店舗まで運ぶため、コールドチェーンが途切れることなく、関西圏にも出荷から24時間以内に商品を届けられる。特にトウモロコシは保管温度や収穫後の時間経過が糖度に影響しやすいとされているため、輸送方法が他の商品との差別化要因となる。
ANA Cargoと丸和運輸機関は、陸空一貫物流サービスの構築を目指して1月頃から情報交換を開始。ニーズ調査で「コロナ禍でなかなか旅行に行けない中、北海道のものを食べたい」という声があったことから、4月頃から帯広地区の農協と準備を始めたという。夏が旬となるトウモロコシの輸送は23日までの予定だが、現在のところ全国十数か所の生産地とも提携を進めており、今後もアスパラやミカンなど鮮度を価値として活かせる商品を開拓していく計画だという。
▲新千歳空港でNH62便に積み込まれるトウモロコシを載せた保冷コンテナ(写真:ANA)
▲羽田空港到着後、トウモロコシを保冷コンテナごと店舗に輸送するトラック