ユナイテッド航空、第3四半期は5億米ドルの黒字 上級クラスの利用好調、PWエンジン搭載の777は来年第1四半期の運航再開見込む

ユナイテッド航空

ユナイテッド航空は、2021年第3四半期の業績を発表した。純損益は5億米ドルの黒字だった。

営業収入は78億米ドル(2019年同期比31.9%減)となった。有効座席マイルあたりの総収入は5.1%、営業費用は32.3%、有効座席マイルあたり費用は5.6%、それぞれ2019年の同期と比べて減少した。貨物収入は2019年から84%増加し、第3四半期として過去最高となった。

スコット・カービー最高経営責任者(CEO)は、「第3四半期は、溜まっていたレジャー需要が急増し、ビジネスの予約も順調に推移したため、力強い勢いでスタートした」と、順調な回復ぶりをアピールした。

回復が遅れる太平洋、大西洋市場は、世界的にワイドボディ機の退役が進んでいることや、構造的優位性から「今後何年にも渡って、国内市場を大幅に上回る」(スコット・カービーCEO)と期待を示した。アメリカ政府が入国制限を撤廃し、新型コロナウイルスのワクチン証明を義務付けることを歓迎している。特に中南米や大西洋での予約は好調に推移しているという。特にヨーロッパの中核都市以外やアンマン、ケープタウン、ヨハネスブルグといった他の米系航空会社が就航していない都市への高い需要と収益を見込む。

年末までに、ボーイング737 MAXを3機とボーイング787型機1機の受領を予定する。現段階でボーイング737 MAXのうち13機に新型シートを搭載するなど、設備投資により競争力を強化する。「今後数年で、利用者に優しいナローボディ機を数百機導入し、残りを改修することで、利用者に選ばれる航空会社となり、プレミアム収益の向上につなげる」(スコット・カービーCEO)と自信を示した。

国内線ファーストクラスの収益は2019年の水準に達し、有償座席利用率は5%上昇した。大西洋横断路線のレジャー市場では、売上高の50%が上級クラスからもたらされ、2019年比で13ポイント改善した。付帯収入は1人あたり9.17米ドルと記録的な数値で、需要が28%少ないにも関わらず、2019年の水準と一致した。これらのプレミアム・レジャー需要の増加は、レジャー全体の収益を2〜3ポイント引き上げる可能性があるとみている。ボーイング767-300型機14機にもプレミアム・プラスを搭載し、2024年に導入するエアバスA320型機にも中間クラスを設ける。

ボーイング777型機で運航している貨物専用便は、旅客需要の回復に合わせて、年内か来年初めにも終了する見通し。試験的に行っていた、ポイントツーポイントの飛行は「非常に成功した」(アンドリュー・ノセラ最高執行責任者(CCO))ものの、7つのハブ空港発着路線への集約に焦点を当てる。

また、エンジン問題が発生したプラット・アンド・ホイットニー製エンジンを搭載したボーイング777型機52機は、2022年第1四半期の運航再開を予定しており、来夏の需要増加に間に合わせる。

第4四半期の売上高は2019年同期比で25〜30%程度低い水準に留まる。供給量は同じく国内線で13%、国際線で35%、全体では23%減少を見込んでいる。休暇シーズンの国内線は9%減となる。

2022年の財務計画の詳細は、1月にも発表する。構造改革により、2019年と同等の従業員数で、2019年より1割多くの便の運航が可能となるとしている。

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