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8年ぶり刷新の「JALスカイミュージアム」公開 デジタル化で展示増強、見学時間拡大も
日本航空(JAL)は10月28日、全面リニューアルした「JAL工場見学スカイミュージアム」の展示エリアをメディアに公開した。
展示エリアの刷新は2013年以来、8年ぶり。今回のリニューアルはコンテンツのデジタル化を進めたことが大きな特徴で、各所に大型のマルチディスプレイを導入した。
入口正面は職種紹介ゾーン。整備士、グランドハンドリング、グランドスタッフ、客室乗務員、運航乗務員のブースを設け、各ブースでは等身大モニターに映し出された現役社員が業務内容を説明する。
その奥には、実際の訓練に使用されていたボーイング737-400型機のフライトシミュレーターを移設したコックピットモックアップを設置。内部では航空無線の再現音声を流すなど、リアリティを追求している。客室モックアップとして、ボーイング787型機のビジネスクラスシート「JAL SKY SUITE」2席と、プレミアムエコノミークラスシート「JAL SKY PREMIUM」4席も並べた。
アーカイブズゾーンでは、JALが設立した1951年から現在までのサービスや出来事、CM、グッズなどをデジタルアーカイブとして10年ごとにまとめ、タッチパネル式のディスプレイで見られるようにした。明るい話題だけでなく、1982年の350便墜落事故や1985年の123便墜落事故、2010年の経営破綻も取り上げられている。
歴代制服エリアには、2020年度に導入した客室乗務員の11代目制服を新たに展示。男性用制服も初めて並んだ。さらに、1969年から1987年まで使用された香港線クルー用制服と、1990年代のリゾッチャ制服も追加されている。展示ケースは全面ガラス張りにすることで開放感を持たせたほか、背面側も見られるようにした。
歴代機材のモデルプレーンは従来はらせん状に並べていたが、一直線上になるよう配置を変更。大きさも全て50分の1スケールに合わせることで、機材の大小関係がわかるようにした。シルエットまで綺麗に見えるよう、照明の位置も工夫されているという。
また、未来に向けたJALの取り組みを取り上げるフューチャーゾーンが新たに設置された。没入感のある180度の大型スクリーンで、ドローン輸送の事業化やバイオジェット燃料の実用化、働き方改革に向けた取り組みなどを紹介している。
このほか、季節展示コーナーも設けており、現在は東京オリンピック・パラリンピック関連のコンテンツを展示している。
「JAL工場見学スカイミュージアム」は、講義形式で航空機について学ぶ航空教室と、展示エリアの見学、格納庫の見学がコースになった約1時間40分のツアー。従来の展示エリア見学時間は約30分だったが、リニューアルに際して1時間程度に拡大することも検討しているという。なお、新型コロナウイルス感染拡大の影響で現地での見学は2020年3月から中止されており、現在はリモート工場見学を開催中。現地見学の再開時期は未定で、国や自治体のガイドラインを踏まえて決定する。
▲映像を通して社員が自らの言葉で仕事を紹介。デジタル化したことにより、内容のアップデートも容易になった
▲職種紹介ゾーンとモックアップゾーンにはデジタルスタンプラリーを設けた。コンプリートした人にはシールなどの記念品をプレゼントすることを検討しているという
▲制服の着用体験コーナーも存続。整備士、グランドハンドリング、グランドスタッフ、客室乗務員、運航乗務員の模擬制服を用意する
▲JALの歴史を10年ごとにまとめたアーカイブズゾーンのタッチパネル式ディスプレイ。今後、2020年代の出来事を紹介するスペースも確保している
▲アーカイブズゾーンの実物展示。設立当初の貴重な資料などが並ぶ
▲歴代制服展示として新たに加わった香港線クルー用制服(中央)
▲季節展示ゾーンに並べられているオリンピック・パラリンピックの聖火輸送ランタン(実物)