北海道エアシステム、機材置き換え完了　ATR42-600型機3号機デビュー

北海道エアシステム（HAC）は、ATR42-600型機3号機（機体記号：JA13HC）を、11月9日の札幌/丘珠発函館行きJL2743便から路線投入を開始した。

9月28日にフランスのトゥールーズで受領し、9月29日に日本へ向けて出発。イラクリオン（ギリシャ）、フルガダ（エジプト）、マスカット（オマーン）、マレ（モルディブ）、コロンボ（コロンボ）、パダン（インドネシア）、ジャカルタ（インドネシア）、マニラ（フィリピン）を経て、10月4日に運航前整備作業を実施する鹿児島空港に到着していた。整備作業の上で、11月8日午前10時22分に鹿児島空港を出発し、同36分に離陸。拠点となる丘珠空港には午後1時40分に着陸し、同43分に到着していた。当初は11月7日に空輸し、翌8日の路線投入を予定していた。

初便となるJL2743便は、午前9時29分に出発し、同35分に離陸。函館空港には午前10時16分に到着した。乗客数は45名で、ビジネスマンの姿が多く見受けられた。

HACの武村栄治社長は、「コロナで製造ラインが遅れ、実質7か月遅れの更新完了だが、非常に感無量」と運航開始を喜んだ。緊急事態宣言の解除により、現状の搭乗率は10ポイントほど上がり、60％程度にまで回復したという。「ぐるっと北海道・公共交通利用促進キャンペーン」などの観光需要喚起策の開始や、緊急事態宣言が明けたことによるビジネス需要の増加も見込まれ、従来機より座席数が約3割増えたATR42-600型機で、さらなる需要の獲得を見込む。

HACでは、2019年12月にATR42-600型機を初受領。3機の受領によって、SAAB340B型機すべての置き換えが完了することになる。日本で運航するATR機は14機目となった。12月下旬のSAAB340B型機2号機の退役まで、ATR42-600型機3機をあわせた4機体制で運航する。