日中の山手線で初の自動運転試験 将来のドライバレス化目指す

JR東日本は2月25日、日中の山手線を使用した自動列車運転装置(ATO)による走行試験をメディアに公開した。営業時間帯に試験を行うのは初めて。早ければ2025年にも山手線と京浜東北線を自動運転化する。

試験は開発中のATOを搭載した山手線のE235系2編成(トウ17・18編成)を使用し、2月16日から25日までの間の5日間で実施。営業列車の合間を縫って山手線(1周34.5キロ)を各日2〜3周し、加速・惰行・減速など自動運転に必要な運転機能や、乗り心地、加減速の最適化による省エネ性能などの確認を行った。

メディアに公開された25日の試験では、トウ17編成が山手線を2周した。各駅で運転士が発車時刻と閉扉を確認して起動ボタンを押すと、列車は自動的にゆっくりと加速。一定の速度で惰行に切り替わり、駅が近づくと徐々に減速して目標の位置に止まった。

JR東日本は山手線の自動運転に向け、ATO試験を2018年度から毎年実施。これまでは終電後の営業列車がいない時間帯で実施しており、日中に実施するの初めてとなった。今後、2025~2030年頃をめどに半自動運転(GoA2)を開始し、将来的には運転士を必要としない自動運転(GoA3)を目指す。

同社の市川東太郎副社長は、試験を通して「基本的な運転制御に関しては一定の成果が得られた」とし、「成果を踏まえてなるべく早い段階で実用化したい」と話した。

▲運転士がボタンを押すだけで自動的に出発。起動ボタンは本来、停止位置を自動修正する「インチング制御」を行うためのもの

▲加減速を行うためのマスコン触れることなく、目標の位置で自動的に停止する