公正取引委員会、ブッキング・ドットコムの確約計画認定 独禁法違反疑い、是正で処分免除

booking.com(ブッキング・ドットコム)

公正取引委員会は、ブッキング・ドットコムの確約計画を認定した。

ブッキング・ドットコムは、宿泊予約サイト「ブッキング・ドットコム」で、日本国内の宿泊施設との契約で、宿泊料金や部屋数を他の販売経路と同等もしくは有利なものとする条件を定め、自社や日本法人を通じて要請していた。

これによって、他の宿泊予約サイトが、自らの負担で割り引くこととして割引後の宿泊料金を掲載したところ、宿泊施設側からブッキング・ドットコムにも割引後の宿泊料金を掲載せざるとを得なくなるとして割引の料金の掲載中止を求められたほか、集客促進のために宿泊料金を引き下げる企画への参加を宿泊施設に側に提案したところ、ブッキング・ドットコムにも同等の料金を掲載する必要があり、必ずしも期待どおりの集客につながらないとして参加を断られるなどの影響が出ている。

ブッキング・ドットコムが提出した確約計画では、これらの行為を取りやめることのほか、サイト上のランキングアルゴリズムや宿泊施設の掲載順位の決定に関する仕組みを利用して同様の条件を遵守させる行為を行わないこと、取締役会で決議することや、社内と日本法人の役員や従業員に周知徹底することなどが盛り込まれた。

公正取引委員会は、ブッキング・ドットコムの行為が、拘束条件付取引を禁じる独占禁止法第19条に違反する疑いを認めていた。確約手続きにより、これらの行為を排除する措置が速やかに実施され、競争の早期回復が図られるとして、2021年12月に確約手続きにかかる通知を行っていた。