ANA、東糀谷訓練センターとBCビルを閉鎖へ ABBへ移転完了

全日本空輸(ANA)は、東京・大田区の「東糀谷訓練センター」と「BC(ビジネスセンター)ビル」の閉鎖を前に、3月18日午後、社員が清掃活動などのお別れイベントを行った。

東糀谷訓練センターは、1979年に竣工。パイロットや客室乗務員、整備士が訓練を行う施設で、当時は東洋一の設備を誇った。管理棟と第1シミュレーター棟、第2シミュレーター棟、訓練棟、モックアップ棟、消火訓練所、ビジネスセンタービルの6棟の建物から構成されており、増築を重ねて現在の姿となった。ボーイング747SRやボーイング727型機のシミュレーターや、緊急脱出訓練用のプール、機体モックアップも擁する。ドラマの撮影地としても利用された。敷地と建物はすでに売却済みだという。

近隣の「ANA Blue Base」(ABB)への訓練施設の集約に伴い、すでに移転作業を済ませている。新型コロナウイルスの影響で、機体シミュレーターの移設作業を行う海外のエンジニアが入国できず、当初の計画より後ろ倒しとなった。2021年11月にはビルのANAロゴが取り下ろされた。

同日には、「ありがとう、さようなら東糀谷訓練センター・BCビル」と題したイベントを開催。施設見学や思い出写真ムービーの視聴、清掃活動、トークセッションが開催され、オンラインも合わせて約140名が参加した。

最新施設の「ANA Blue Base」は、2019年3月に竣工し、4月に運用を開始した。敷地面積は3万平方メートル以上で、モーションモックアップなどの最新設備や、日本流のおもてなしを学べる茶室も新設している。