2年ぶり再開のANA機体工場見学 新設展示スペースには原寸大787尾翼も

全日本空輸(ANA)は、コロナ禍で休止していた羽田空港の機体工場見学を4月4日から再開する。再開にあわせて新たに体験型見学施設を設け、「ANA Blue Hangar Tour」として刷新する。

機体工場見学は2020年3月1日を最後に休止しており、再開は2年1か月ぶり。格納庫での機体見学と飛行機に関する講義が各45分ずつ、全体で約90分という従来の内容に加え、新たに体験型見学施設を設け、集合前と解散後の各30分で自由に見学できるようになる。

講義を行う講堂の隣にあった体育館を改装したもので、面積は約541平米。中央にそびえる垂直尾翼はボーイング787型機の原寸大模型。その裏にはドックスタンド(格納庫の作業用足場)をイメージしたやぐらのようなものがある。それらを囲むように作られた展示スペースは、ライン整備、ドック整備、エンジン整備など13の部門に分けられ、それぞれ整備士が使う工具や飛行機の部品が並ぶ。一部は実際に持ったり触ったりして大きさや重さを体感することもできる。施設監修は、全国の博物館やテーマパークの設計を手掛けるムラヤマが担当。飛行機や整備業務を身近に感じられるよう設計したという。

「ANA Blue Hangar Tour」は平日のみの開催。各日午前9時30分開始と午後1時30分開始の2回設定する。定員は各回24名。開催日の1か月前から専用サイトで予約を受け付ける。初日の4月4日から28日までの予約受け付けは、あす3月29日午前9時30分から。参加無料。

▲新設した体験型見学施設

▲原寸大の尾翼模型の裏にはドックスタンドをイメージした展示スペース

▲タイヤの摩耗点検を体験できるスペース

▲実物のフライトレコーダー

▲ボーイング787型機に搭載されているエンジン「ロールス・ロイス TRENT1000」の4分の1スケール模型

▲整備士の模型やヘルメットは役職によって色が分けれられている

▲シートベルトの部品混同チェックを体験できるスペース

▲飛行機の部品紹介

▲格納庫をイメージして、床には飛行機の停止位置を示すラインが描かれている

▲国際線仕様ボーイング787型機から取りおろしたビジネスクラスシート「ANA BUSINESS STAGGERED」

▲フルフラットにして着席することも可能

▲格納庫での機体見学は、ANAグループ社員がツアーガイドとして案内する

▲飛行機を間近から見学できる