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待機不要で“自由な海外旅行”が帰ってきた ファストトラックで帰国も意外とスムーズに【レポート】
海外からの帰国時に数日間の隔離や待機が必須とされていたのも今や昔。感染状況が悪化している一部の国・地域以外からの帰国で、ワクチンの3回接種が完了している人については、原則的に自宅等での待機が3月から不要になった。つまり、入国に制限がない国・地域であれば、一切の待機期間なしでコロナ禍前のように自由に旅行できるのだ。
筆者は今回、ワクチンの2回接種が完了した外国人を検疫免除で受け入れているグアムに渡航した。大型連休や夏休みシーズンに海外旅行を予定・検討している人に向けて、日本出発から帰国までの流れの最新状況をレポートする。(取材協力:ユナイテッド航空)
日本出発時/証明書類はスマホ提示でOK
今回利用したのはユナイテッド航空の東京/成田〜グアム線。4月現在、ボーイング737-800型機で毎日1便運航されている。成田空港のカウンターでは、パスポートとESTAに加え、以下の2点の提示が求められた。
・2回以上のワクチンの接種証明書
・出発前1日以内に検査した陰性証明書
接種証明書は公的機関が発行したものであれば、紙面でもデジタル証明でもOK。紙面での発行は自治体により時間がかかる場合があるが、デジタル庁の接種証明書アプリならマイナンバーカードがあれば即日発行できるのでおすすめだ。
また、陰性証明書もPDFデータをスマホ等で提示すれば問題なかった(航空会社によって異なる場合もある)。PCR検査のほか、抗原定性検査、抗原定量検査も有効だ。全国の空港などに展開している木下グループの検査センターでは、30分で結果が判明する抗原定性検査を1,900円を受検できる。なお、接種証明書、陰性証明書ともに日本語のもので問題なかった。海外渡航からしばらく遠ざかっていた人は、パスポートやESTAの期限切れにも注意したい。
グアム入国時/検疫免除でさくっと入国
意外なことに、日本出発、グアム入国、グアム出発、日本帰国の手続きの中で、最もスムーズだったのがグアム入国時だった。航空機のドアオープン後はそのまますぐにイミグレーションに向かうことができ、パスポートを提示。普段どおり滞在期間や場所、目的などを尋ねられ、すぐに入国スタンプが押された。税関では機内で配られた申告書を提示するだけ。グアム到着72時間前以降にインターネットで電子税関申告書を提出しておけば、紙面での提示も必要ない。検疫が免除されているため、時間帯にもよるが、早ければ降機から15分程度で空港の外に出られるかもしれない。
グアム滞在時/PCR受検と「MySOS」登録を
グアム出発時と日本帰国時には、現地出発前72時間以内に検査した陰性証明書の提示が必要になる。グアム政府観光局(GVB)では現在、旅行者向けにPCR検査の無料プログラムを9月30日まで提供しており、日本帰国用フォーマットの陰性証明書も発行してもらえる。検査会場や受付時間などはGVBのページを参照してほしい。筆者は今回、グアムのショッピングモール「ザ・プラザ」内の検査センターをオープン時間の午前9時に予約し、30分ほどで検査完了。翌日の午前中には無事に「陰性」の証明がメールで送られてきた。
陰性証明書を入手したらぜひやっておきたいのが、厚生労働省の入国者健康居所確認アプリ「My SOS」の登録だ。これに必要事項を登録しておくことで、帰国時の空港検疫でファストトラックを利用できるようになり、スムーズな入国が可能となる。ファストトラック利用のために必要な情報は以下の通り。
・質問票
・誓約書
・ワクチン接種証明書
・出国前72時間以内に検査した陰性証明書
これらを「日本到着の16時間前まで」に登録する必要がある。接種証明書や陰性証明書はPDFでの提出がベストかと思われるが、紙面をスマホで撮影した画像や、スクリーンショットでも問題なく審査が通った。入力にかかった時間は20分程度で、1時間ほどですぐに審査が通った。この登録の有無で帰国時の流れが大きく変わるので、忘れずに必ず申請しておいてほしい。
グアム出発時―“紙”の陰性証明が必要
グアム出発時、空港カウンターで求められたのはパスポートと、出発前72時間以内に検査した陰性証明書の2点。陰性証明書はメールで送られてきたPDFデータではなく、紙面での提示が必要とのことだ。旅行者にとっては現地でPDFを印刷することが難しいため、滞在先のホテルなどで事前に依頼しておく必要があるだろう。今回は空港スタッフにお願いして印刷してもらうことができた。
なお、ユナイテッド航空では渡航先ごとの必要書類の確認や提出がウェブ上でできる「トラベルレディセンター」サービスを提供している。これを利用すればオンラインチェックインが可能になり、紙面の証明書を用意する必要もなくスムーズに出発できる。
日本帰国時/最大の関門も思いのほかスムーズ
旅行者にとって最大の関門となっているのが日本帰国時の空港検疫だ。まず降機時は、乗り継ぎの国際線利用者と日本入国者に分けられ、入国者は検疫の許可が出るまで機内待機となる。今回は午後2時55分に成田空港の33番スポットに到着し、搭乗客の8割ほどを占めていた乗り継ぎ客が先に降機。入国者は午後3時10分に降機許可が降りた。
降機後に通路をしばらく歩くと、第4サテライトの手前付近でスタッフが「My SOS」の登録有無を確認していた。登録者はここでファストトラックの別ルートに通され、アプリの通知設定などを確認されたあとにそのまま抗原検査へ向かうことができた。非登録者はここで質問票や誓約書の記入、接種証明や陰性証明の確認が求められ、大きな時間のロスが発生するものと思われる。
抗原検査は降機から約15分後の午後3時25分頃に受検することができた。ここまでは非常にスムーズな流れだ。なお、検査前30分間は水を含む飲食が禁止されているので注意したい。
その後、検体の回収と「My SOS」のQRコードの確認があり、抗原検査の結果を待つエリアに通されたのが午後3時45分頃。いつの間にかパスポートの裏には結果通知用の番号が貼られており、結果判明後は放送で番号の下四桁が呼び出される流れのようだ。今回指定された待機場所は44番ゲート付近のベンチ。それぞれ番号が振られ、指定席になっている。お手洗いや自動販売機は自由に使うことができるが、単身旅行者にとっては荷物の管理が心配だろう。
筆者の番号は0826番で、待機場所に通された際には0600番台前半の番号が呼び出されていた。ただ、放送は日本語と英語で1回きりで、聞き逃すと再び呼ばれることはない。モニターを用意して画面で通知するほうが親切かつ正確ではないだろうか。
抗原検査から約1時間30分後の午後4時55分、ついに筆者の番号が呼び出された。結果は無事に陰性。陰性証明用紙を手渡され、これを検疫で提示すれば、あとは通常通りのイミグレーションと税関が待つのみだ。この2箇所はもちろんすぐに通過でき、午後5時過ぎには空港の外に出ることができた。帰宅時に公共交通機関を利用しても問題ない。
今回、降機から外に出るまでの所要時間は約2時間だったことになる。「My SOS」によるファストトラックの導入前は5〜6時間かかることも珍しくなかったようで、導入による効果を実感した。とはいえ抗原検査のために1時間以上の待機時間が発生することは事実である。待機場所では小さな子どもが飽きてしまったのか延々と泣き続けている場面もあり、特に子ども連れの旅行者にとっては煩わしさを感じることだろう。
海外渡航者が増加するであろう大型連休や夏休みシーズンには、所要時間が大幅に増加することも予想される。渡航先の感染状況に合わせて帰国時の検査を撤廃するなど、水際対策が今後さらに緩和されれば、海外旅行も徐々に気軽なものに戻っていくことだろう。
(取材日:出発/4月18日、帰国/4月23日)