伊藤忠商事、エティハド航空に国内でSAF供給

伊藤忠商事は、エティハド航空とネステ製の持続可能な航空燃料(SAF)の国内での供給契約を締結した。

伊藤忠商事は、2020年に全日本空輸(ANA)、ネステと共同で、国内でのサプライチェーンを構築し、今年2月にはネステと日本市場向けの独占販売契約を締結した。国内での海外の航空会社へのSAF供給契約は初めてで、国内に燃料タンクなどの供給インフラを持たない、海外の航空会社向けの供給拡大を狙う。

エティハド航空は、2035年までに2019年比で二酸化炭素排出量レベルを半減し、2050年までにカーボンニュートラルとする目標を掲げている。6月から、成田国際空港で航空機渡し条件での供給を開始する。

2027年には排出削減義務が課されることから、国内空港でのSAFの安定供給網を確立することが、海外の航空会社が日本を就航地として選択することにもつながるという。長期的な国内SAF生産事業の確立と並行し、短期的には日本に就航する航空会社向けにSAFを安定供給することが求められるとしている。

ネステは、シンガポール工場の拡張や、オランダ工場の改修によって、2023年末までに世界で年150万トンのSAFを製造することを計画しており、伊藤忠商事との提携に基づき、国内での安定供給に取り組むという。