回生電力を回転力として貯蔵、登坂走行をアシスト JR東日本が中央本線で実証実験

JR東日本は、超電導技術を活用したフライホイール蓄電システムを中央本線の穴山変電所に導入した。6月8日から実証実験を始め、将来の実装を目指す。

同社は、電車のブレーキ時に発生する回生電力を沿線に設置した蓄電池に貯めて有効活用する取り組みを行っている。今般導入したフライホイール蓄電システムは、装置の内部にある大型の円盤(フライホイール)を回転させることで、電力を回転エネルギーとして貯め、必要に応じて回転力を再び電力に変換して放出するもの。蓄電容量は29キロワット毎時。回転部の軸受けに磁気反発力を与えてフライホイールを浮上させ、非接触とすることで、保守コストの削減、エネルギー損失の低減を図っている。

実証実験では、中央本線の穴山駅付近の勾配を下る列車から発生した回生電力を運動エネルギーとして貯め、勾配を上る列車に電力として放出することで登坂走行をアシスト。充放電特性や有効性の検証を行う。変電所から送る通常の電力を削減することが可能となり、年間で146メガワット毎時の省エネ効果を見込む。

JR東日本によると、超電導フライホイール蓄電システムを鉄道に応用するのは世界初だという。