サル痘の世界的拡大で広域情報、30か国で確認

外務省

外務省は、サル痘が複数国で発生しているとして、注意を促す広域情報を発出した。

世界保健機関(WHO)は6月10日、サル痘を風土病としない28か国で感染症例を確認したことを発表しているほか、ブラジルとポーランドでも感染症例が見つかっている。6月4日時点では780例が確認されていたものの、1,285例に拡大した。多くはヨーロッパで見つかっている。一方で、サル痘を風土病としない国・地域での死亡者は確認されていない。

WHOや各国当局によって確認されているのは、アルゼンチン、カナダ、メキシコ、アメリカ、モロッコ、アラブ首長国連邦、オーストリア、ベルギー、チェコ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ハンガリー、アイルランド、イスラエル、イタリア、ラトビア、マルタ、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、スロベニア、スペイン、スウェーデン、スイス、イギリス、オーストラリア、ブラジル、ポーランドの30か国。

有効な予防方法は、症状のある者やサル痘を有する可能性のあるげっ歯類等のほ乳類との接触を避けることで、石けんやアルコールベースの消毒剤を使用した手指衛生を行うことも推奨されている。

サル痘はリスなどのげっ歯類が自然宿主として考えられ、天然痘同様の症状を伴う急性発疹性疾患で、アフリカに発生する風土病とされてきた。潜伏期間は5〜21日で、致死率は数%〜10%とされている。初期症状は、発熱、悪寒、背中の痛み、筋肉痛、リンパ節の腫れなどで、発熱後1~3日で特徴的な発疹が顔や四肢に現れ、口の中や性器、目にも発疹が現れることがある。