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市場価格から予想する、10~11月発券分「燃油サーチャージ予報」 次回値上げも不可避でいくらになる?【コラム】
円換算金額とゾーン
▲JAL ゾーンOの場合の燃油サーチャージ(片道)【筆者作成】
先に求めた数値から計算すると、円換算額は約20,643円となる。これを基に参照すると、適用ゾーンとサーチャージ価格は、JALの場合に、ゾーンO(20,000円以上21,000円未満)で欧米往復は114,400円、ANAの場合に、同様の価格区分に適合し、欧米往復は116,000円となった。あくまでも、7月21日現在の状況が続いた場合の計算であり、7月後半の実データを含んでいないことから、今後の相場変動に対応して、ゾーンが変動する可能性がある。そのため、次回の燃油サーチャージ価格を確約するものではない、ということには注意されたい。
なお、航空会社は、シンガポールケロシンの売買があった日のスポット価格を、2ヶ月平均している。しかし、今回用いたデータは1週間周期のものであることから、そのような観点から正確性は落ちることも注意が必要だ。
ただし、6月中にドル/円が130円台を堅持し、7月にはさらに140円台を目指すような場面もあったため、7月下旬の数値が多少変動したとしても、平均値に大きな影響を及ぼすとは思えない。シンガポールケロシンも、7月には下落を見せたものの、6月の高値が平均値を押し上げている。以上のことから、10月から11月発券分も、ゾーンO適用、とはいかずとも、再度の価格更新は避けられないというのが筆者の考えだ。
本当にこの算出方法は正しいのか?
さて、10月から11月発券分を予想したところだが、本当にこの算出方法は正しいのかという疑問は残る。そのため、過去データがある4月から5月発券分と、8月から9月発券分に適用された、シンガポールケロシンと為替のレートを調べ、先程と同じ方法で求めたレートと比較することでチェックしていく。
▲公式のプレスリリースでは、このように、適用する市場価格が明記される。
3月10日に発表された、4月から5月発券分は、2021年12月から2022年1月の市場価格を基にしており、シンガポールケロシンの2ヶ月平均は89.69(ドル/バレル)、ドル/円の2ヶ月平均は114.32(円/ドル)で、円換算した金額は、10,253円となる。筆者による算出方法だと、シンガポールケロシンが90.41、ドル円が114.4で、円換算額は10,343円となった。
直近で6月24日に発表された、8月から9月発券分は、4月から5月の市場価格を基にしており、シンガポールケロシンの2ヶ月平均は138.52(ドル/バレル)、ドル/円の2ヶ月平均は127.38(円/ドル)で、円換算した金額は、17,644円となる。筆者による算出方法だと、シンガポールケロシンが140.46、ドル円が127.63で、円換算額は17,927円となった。
両者ともに、近い数値が得られており、算出方法として間違ったものではなさそうなことが分かる。