JR西日本の気動車、2030年度めどにバイオ燃料に完全置換へ キハ40などで走行試験

JR西日本 キハ40

JR西日本は、ディーゼル車両で使用している燃料について、2030年度をめどに全て次世代バイオディセール燃料(BDF)に置き換えると発表した。

秋頃から軽油に対してBDFを5%した燃料でエンジン単体での性能試験を開始。段階的に混合率を100%に引き上げ、軽油を使用した場合との差異を確認する。2023年度からはDEC700形やキハ40形などの実際の車両を使用して、山陰線などでBDFを100%使用した試験走行を実施。通常期・夏期・冬期の各シーズンで1か月程度行い、外気温による影響を確認する。BDF導入に向けたエンジンの改造などを行う予定はないという。

その後、2024年度には営業列車の一部でもBDFを100%使用して1車両あたり1日200キロ程度の長期走行試験を行い、燃費や安全・安定性を確認。2025年度から本格導入する。JR西日本によると、BDFを常時100%使用する本格実装に向けた長期走行試験を行うのは、国内の鉄道事業者で初めて。同社は2021年度実績でディーゼル車両用の軽油を年間21,000キロリットル使用しており、これを全てBDFに置き換えた場合、年間で実質55,000トンのCO2削減効果があるという。

JR西日本は2050年のカーボンニュートラル達成に向け、2030年度にグループ全体のCO2排出量を2013年度費で46%削減することを目指している。同社の長谷川一明社長は会見で、「BDFへの置き換えが実現すれば、当社のディーゼル車両から排出されるCO2は実質ゼロになる」と説明し、「ディーゼル車両と同様のエンジンを使う設備などに応用できれば、スケールメリットによってさらなるBDFの活用とCO2削減促進の好循環に繋がる」と期待感を示した。