検査一切不要、自由な海外旅行が9月7日からついに復活 帰国時の流れを最速レポート

厚生労働省は9月7日から、全ての帰国・入国者について、ワクチン3回接種が完了している場合、これまで必要としていた現地出国前72時間以内の検査証明の提出を求めないことにした。これにより、渡航に制限がない国や地域が目的地であれば、ワクチン接種証明書を用意するだけで自由に旅行できるようになった。

筆者は今回、この措置が開始した9月7日に合わせてサイパンから帰国し、成田空港における検疫手続きの状況を確認してきた。今後、海外渡航・帰国を予定している方の参考になれば幸いである。

▲9月1日に就航したばかりの東京/成田〜サイパン線。週3便運航している

今回利用したのはユナイテッド航空のUA824便。サイパンを現地時間午前7時に出発し、成田には午前9時35分に到着するスケジュールだ。帰国時に検疫をスムーズに通過できるファストトラックを利用するためには、日本到着予定時刻の6時間前までに、入国者健康居所確認アプリ「My SOS」にワクチン接種証明書を撮影した画像をアップロードしておくことが必要となる。つまり、今回の場合は日本時間午前3時35分までに登録を済ませていればよい(時差に注意)。接種証明書は紙でも電子でも問題ない。

▲9月6日の登録時は黄色の画面だったが(左)、7日の朝には青色に変わった

これまではワクチン接種証明書のほかに陰性証明も求められていたため、9月6日にMy SOSに登録した時点では書類不備を示す黄色の画面になっていたが、7日朝には登録完了の青色の画面に変わっていた。ちなみに、ワクチン3回接種が完了していない場合は、現地出国前72時間以内の検査証明書を用意すれば、接種完了者と同じ扱いとなり青色の画面になる。

▲サイパンから成田空港33番台ゲートに到着したUA824便

9月7日のUA824は、定刻より早い午前9時12分に成田空港第1ターミナル第3サテライトの33番ゲートに到着。降機したのは午前9時20分だった。ターミナルに出ると、通常の到着動線とは真逆の40番台ゲートがある第4サテライト方面に誘導される。第4サテライトでは早速、入国者健康居所確認アプリ「My SOS」の画面を確認され、青色の画面かそれ以外かでルートが分かれる。

▲通常の到着動線を逆走して第4サテライトへ

青色ルートに進み第4サテライトを少し歩くと、今度はスタッフの目視でMy SOSのQRコードの確認がある。ここでA5ほどの大きさの紙を一枚を渡されるが、スタッフの確認用のチェックシートのようで、帰国者が何か記入したりする必要はないようだ。ちなみに、この直前には額で検温を行うという旨の掲示があったが、結局体温を測られることはなかった。

▲提示が必要なものは掲示や声掛けで都度案内されている

そのまま順路を進んでいくと、第4サテライトのANAラウンジの中に設けられたチェックポイントでQRコードの読み取りがある。ここで問題がなければ、検疫完了を示す紙と、帰国後の諸注意が書かれた紙を手渡されて一連の流れは終了。最初に来た道を戻り、チェックシートのみ回収されて放免だ。イミグレーションを通過したのは午前9時39分。降機からの所要時間は19分だったことになる。

My SOSを使ったファストトラックはこれまでも運用されていたが、ついに陰性証明も不要となり、海外渡航のハードルは大幅に下がったと言えるのではないだろうか(そもそも、短期渡航であれば日本出発前に取得することもできた、現地出国前72時間以内の検査証明が果たして必要だったのかという疑問は残る)。止まらない円安や燃油高騰など、諸々の懸念は拭えないが、この9月の連休や年末年始には、久々の海外旅行を計画してみてはどうだろうか。