スカンジナビア航空、新事業計画「SAS FORWARD」の詳細を発表 短距離ビジネス需要はコロナ前に戻らず

スカンジナビア航空(エアバスA321LR型機)

スカンジナビア航空は、新たな事業計画「SAS FORWARD」の詳細を明らかにした。

新たな事業計画では、SASブランドを活用するほか、コスト競争力の獲得、保有機材の適正化などを掲げており、機材構成や債務を再構成し、債務などの株式転換を目指す。

債務を株式に転換され、新株発行により少なくとも95億スウェーデン・クローネを調達した場合、希薄化率は95%以上に達し、既存株主は大きな影響を受ける。財務基盤が強固となり、2026年度末にはほぼ無借金になる見通し。

旅客数ベースでの航空需要は、2023年度上期末に、コロナ前の90%程度に回復することを見込んでいる。短距離のレジャー需要は2024年度にはコロナ前の水準に戻るものの、短距離のビジネス需要は同じく80%の水準で横ばいに推移することを想定する。長距離のレジャー需要は、長距離のビジネス需要より急速な回復を見通している。

スカンジナビアの航空市場は、「価格重視」、「高品質を求めるが価格に敏感」、「品質に高い価値を見出す」の3つの顧客セグメントに分けられており、歴史的に”プレミアムセグメント”に焦点を当てて事業を展開してきたものの、このセグメントのシェアは低下し、今後数年続くことを予想している。他の2つのセグメントは、複数の格安航空会社(LCC)がスカンジナビア航空の拠点に進出したことで、積極的な展開を見せているとした。

年間コストを75億スウェーデン・クローナ削減するほか、短距離路線網と機材を最適化するとともに、コスト構造を見直し、プレミアムブランドを維持しつつLCCとの競争を可能とする。レジャー需要の大きい、南ヨーロッパへの路線を増やすほか、長距離路線との乗り継ぎ強化のため、共同事業も検討する。

ワイドボディ機の経年機を段階的に退役させ、一部の長距離路線の運航をナローボディ機に小型化し、機種を3機種に絞る。これにより契約内容の改善やメンテナンスの集中化が可能となり、リース料んどで最大10億スウェーデン・クローネ、メンテナンスで5億スウェーデン・クローネの削減が可能となる。空港サービスでも約12億スウェーデン・クローネ、財務やITなどでも約17億スウェーデン・クローネの削減を見込む。

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