谷川岳ロープウェイ、「谷川岳ヨッホ」に名称を変更 12月1日から
サルでもわかる、「全国旅行支援」の利用方法と注意点【永山久徳の宿泊業界インサイダー】
当日発熱していたらどうすればいい?
前項のように、「全国旅行支援」はワクチン接種、陰性証明が必須なので、理論上は発熱者であっても接種済もしくは陰性であれば、「全国旅行支援」を使った旅行が可能だ。もっと言えば、現行の旅館業法では陽性者であっても「全国旅行支援」の適用をあきらめて正規の宿泊料金を支払えば宿泊を断られることは無い。しかし、万一感染していた場合、他の宿泊客や従業員に対して迷惑をかけるケースも考えられるので、チェックイン時に正直に申告して宿泊施設の判断を仰ぐことが必要となる。
その結果、大浴場やパブリックスペースの利用自粛のお願い、他の症状が出ている場合は保健所への相談などを求められる場合があることは理解しておきたい。発熱を隠して宿泊した場合も罰則は無いが、クラスター発生源になるなど他のお客様や従業員に被害を及ぼした場合は民事上の責を問われる可能性もある。
常時マスクをしていなければ宿泊拒否されると聞いたけど
旅館業法の改正案がマスコミを通じて公表されたが、まだ国会を通過していないので、今回の「全国旅行支援」の期間とは無関係だ。現在は「宿泊しようとする者が伝染性の疾病にかかっていると明らかに認められるとき」以外は病気を理由に宿泊施設側から予約を断られることはない。
ただし、検温やマスク着用のお願いなどに対しては、罰則は無くともマナーとしては従うべきだ。ここに関しては個々の主義主張ではなく、一泊する共同体として、最大公約数のルールが優先されるべきで、その良心によってこの「全国旅行支援」も成立しているからだ。もちろん、宿泊施設は感染防止対策を策定し、遵守することが全国旅行支援の参画条件となっており、それを破ることはできないという理由もある。感染防止対策に協力できないという主義の方を否定はしないが、この支援スキームにはそぐわないことは理解して欲しい。
ここまで読んでも結局良くわからない、、、という人へ
長々と書いてきたが、今日の段階ではこれだけ覚えておけば良い。
・まず、自分が対象者かどうか確認する。ワクチン接種証明を用意できるか、陰性証明を用意できる人以外はどうやっても対象にはならない
・人気観光地、人気宿泊施設については、週末を中心に早々に満室、販売終了になるケースも考えられるが、旅行会社への割当追加や、宿泊施設の追加販売の可能性もある
・割引額、クーポン額について、基本パターン以外は深く考えない方が早く判断できる。子どものカウントや都道府県独自の追加割引など、どうしても詳細を知りたければ現地に聞くのが最も早い。
・到着後であっても、必要書類を忘れた場合や、宿泊施設の感染防止対策に協力できない場合などは、まず今回の支援の対象外になるので注意すること
経済対策としてようやく始まった、「全国旅行支援」。これを国民が使うことにより、投入する税金をはるかに超える経済効果が生じ、結果税収として国庫に還流させる一大プロジェクトだ。旅行が可能な環境にある人は、主旨を理解し、久しぶりの遠距離旅行を十分に堪能して欲しい。