JALベルスター、クリスマスに向け練習中 コロナ禍のCA就活生へ「心休め温かい気持ちになって」

日本航空(JAL)の客室乗務員(CA)有志によるハンドベルチーム「JALベルスター」が、クリスマスシーズンに各地で行う演奏会に向けて、練習を続けている。

1995年に始まった「JALベルスター」の活動は、今年で28回目を数える。毎年9月にCA有志8名で結成され、クリスマスシーズンに全国各地の空港などで演奏を披露する。前年のメンバーから選出された1名は翌年も引き続き参加し、リーダーとしてチームをまとめる。今年のリーダーを務めるのは、入社4年目の長谷川愛さん。これまでチームを牽引する役割を経験したことは少なかったが、「いい成長の機会になると思い、すぐに引き受けました」という。

▲2022年のリーダーを務める長谷川愛さん(中央)

今年は長谷川さんに加え、社内公募で選ばれた2018年度〜2020年度入社の新たなメンバー7名が参加。10月4日に初顔合わせした。全員が音楽経験者で、ピアノのほか、サックスやトロンボーンを演奏できるメンバーが集まった。

今年の演奏会に向けて用意しているのは13曲。全8回の練習会を週に1回のペースで行っている。10月19日に羽田空港で行われた3回目の練習会では、取材陣に向けてクリスマスソング3曲を披露した。「小さなお子様からご高齢の方までたくさんの方に聞いていただきたいと思い、クリスマスソングを多めに選んでいます」と長谷川さん。クリスマスソングの他にも「誰が聞いてもわかる、楽しめる曲」を5曲練習しているという。

今年の演奏テーマは「Wishes come true 〜きらめく音色に想いをのせて〜」。未だコロナ禍は完全に収束したとは言えないが、今年のクリスマスこそは会いたかった人と過ごせるように、世界中の人の願いが叶うようにという思いを込めた。長谷川さんは、「ベルの音色に私たちの思いを乗せて皆さんにお届けできれば」と練習に励む。

▲ベルスターの演奏を聴いて「心が温まった」と話す田中里佳さん(左)

新メンバーとして参加した2019年度入社の田中里佳さんは、学生時代にベルスターの演奏会を見たことがきっかけで、自身も活動を通してJALの魅力を発信したいとメンバー募集に手を挙げた。JALは2023年度から客室乗務職の採用を3年ぶりに再開。かつての田中さんと同じように、CAを目指す学生がベルスターの演奏を楽しみに待っているかもしれない。田中さんは、「コロナ禍での就職活動は私たちの頃より大変だと思いますが、ベルスターのきらめく音色を聞いて心を休め、温かい気持ちになってほしいと思います」と話した。

演奏会は11月下旬から、東京都内のほか、札幌市、函館市、秋田市、大分市など全国各地でも開催する。クリスマス当日は、都内のホテルで演奏を披露する予定だという。

JALベルスター2022

▲演奏会で使うベルは全部で70本。1曲ごとに1人あたり2〜5本を担当する

▲楽譜を読み合わせ、それぞれの担当箇所を確認

▲演奏会で掲示するボードもメンバーの手作り