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ANA、国内線定期便でSAF初使用 2030年までに従来燃料10%以上置き換えへ
全日本空輸(ANA)は11月14日、東京/羽田発、福岡行きのNH253便に廃油や植物などを原料とした持続可能な航空燃料(SAF)を搭載して運航した。商業規模で生産されたSAFを同社の国内線定期便で使用するのは初めて。
ANAが最初にSAFを使用したのは、2012年4月にアメリカから日本に運航したボーイング787型機のデリバリーフライトだった。その後、2020年10月24日には初めて日本発の定期便にSAFを搭載して運航。ANAによると、現在は国際線では継続的にSAFを使用しているという。
NH253便には、東京/羽田〜福岡間の燃料使用量の10%強に相当する1,000リットルのSAFを搭載。エネルギー事業を手掛けるフィンランドのNESTEが製造したもので、ジェット燃料の国際規格を満たし、従来燃料と同じ安全性が担保されている。従来燃料と比較した際のCO2削減効果は約90%だという。
ANAエアライン事業部GXチームマネージャーの乾元英氏によると、2050年カーボンニュートラル実現に向けて同社が掲げている「2030年度までに消費燃料の10%以上をSAFに置き換える」という目標に合わせて、10%のSAFを搭載して運航したという。NH253便は二酸化炭素(CO2)排出量削減に向けた実験的施策を展開する「ANA Green Jet」2号機(ボーイング787-8型機、機体記号:JA874A)の運航初便で、ANAはSAFのさらなる普及推進の足がかりとしたい考えだ。
SAFをめぐっては世界的に生産量不足が叫ばれ、航空会社にとっては安定供給の確保が大きな課題となっている。ANAは2020年10月にNESTEとSAFの調達に関する覚書を締結しているが、「世界中のエアラインがNESTEに供給を求めており、目標達成のための供給量を確実に確保できるかは不透明だ」(乾氏)。
そこでANAは今年3月、日本航空(JAL)、プラントエンジニアリングの日揮ホールディングス、バイオ燃料製造のレボインターナショナルと共同で、国産SAFの商用化と普及・拡大に取り組む有志団体「ACT FOR SKY」 を設立。11月8日には日揮ホールディングスらが国産SAFの大規模生産に向けた新会社を設立し、早ければ2024年度下期にも年間約3万キロリットル規模の国内供給が始まる見込みだ。乾氏は国産SAFの安定供給に期待を寄せ、「優先的に使用して普及を進めたい」と話した。