JAL、ディナーイベントで地方誘客　「俺のフレンチ」とコラボ

日本航空（JAL）は、都内を中心に飲食事業を手掛ける「俺の」と共同で、国内就航地の食材や産品をレストラン提供し、産地への誘客を図るイベント「旅するメーカーズディナー」を始めた。第1弾として11月23日、北海道仁木町と余市町のワインやブランド豚を使ったディナーイベントを東京・千代田区の「俺のフレンチ グランメゾン 大手町」で開催した。

参加したワイナリーは、仁木町の「ニキヒルズワイナリー」と「ル・レーヴ・ワイナリー」、余市町の「ドメーヌ・タカヒコ」と「キャメルファームワイナリー」の4つ。「俺のフレンチ グランメゾン 大手町」支配人でソムリエの長谷川純一さんがプロデュースし、これらのワイナリーのワインと北海道の食材をかけ合わせたフレンチコースを提供した。

コースは冷前菜の「ウニとオマール海老のコンソメゼリー、カリフラワー・ムースのカクテル」とニキヒルズワイナリーの「HATSUYUKIスパークリング2020」の組み合わせから始まり、温前菜「白子の炙り 白樺樹液のスープ仕立て」、魚料理「UMAMIブイヤベース 北海道産鱈、蝦夷アワビ、ズワイ蟹」、至福の一品「ラベンダー『香』パン・ペルデュ」、肉料理「北海道余市北島豚、きのこ、りんごのパイ包み焼き〜グランメゾンのスタイルで〜」と続いた。組み合わせられたワインは順に、キャメルファーム・ワイナリーの白ワイン「ケルナー プライベートリザーブ2020」、ドメーヌ・タカヒコの赤ワイン「ヨイチ・ノボリ・パストゥーグラン2020」、キャメルファーム・ワイナリーの赤ワイン「ブラウフレンキッシュ プライベートリザーブ2020」、ル・レーヴ・ワイナリーの赤ワイン「MIYABI〜雅〜2021」。最後はスイーツ「輝く葡萄のフランベ・スイーツ〜2022年収穫への感謝を込めて〜」とニキヒルズワイナリーのデザートワイン「HATSUYUKIレイトハートヴェスト2018」で締めくくられた。

コースの途中には各ワイナリーからの中継映像を会場の大型スクリーンに映し、参加者が生産者に質問できる時間も設けられた。料金は1人15,000円で、80名の定員に対してほぼ満席になったという。2023年2月には、仁木町と余市町を訪れる1泊2日のツアーを催行し、今回紹介した4つのワイナリーを長谷川さんとめぐる。

JALはこれまで、日本各地の食材を通して、地域の新たな魅力を発信する取り組みに注力してきた。今般のイベントはその一環で、食材のPRだけでなく、ツアーを組み合わせて現地を実際に訪れてもらうことが狙いだ。企画を担当した地域事業本部支援推進部の猿渡美穂部長によると、以前から長谷川さんと面識があったことで話が持ち上がった。長谷川さんが約5年前に山口県で行った講演会にJALが協賛しており、当時、猿渡部長が山口宇部空港所長を務めていたことから面識を持ったという。

猿渡部長は、「以前から地域からの要望として、特産品や観光地を東京の人に知ってほしいという声が上がっていた。東京には県のアンテナショップがあるが、市町村は単体でアピールするのが難しいという実情があり、私どもが手助けできることがあればと考えていた」と企画の背景を説明した。今後、第2弾は2023年2月を予定しており、その後は3か月に1度のペースで継続的に開催する予定だという。

▲冷前菜「ウニとオマール海老のコンソメゼリー、カリフラワー・ムースのカクテル」とニキヒルズワイナリーの「HATSUYUKIスパークリング2020」