東横イン、東横INN津田沼駅北口を閉店
高田馬場ロータリー前でととのう! 早稲田口に登場した客室サウナ付きホテル、評論家の瀧澤信秋さんが紹介
サウナブームが巻き起こって早数年。「ととのう」という概念もすっかり市民権を得て、銭湯ではサウナ室の前に行列ができていることも少なくない。そんな中、完全プライベートのサウナ付きルームを備えたホテルが東京・高田馬場に誕生した。
そのホテルは「ベッセルイン高田馬場駅前」。JR山手線・西武新宿線・東京メトロ東西線が乗り入れる高田馬場駅の早稲田口から徒歩3分、メトロからは4番出口直結という好立地だ。ダブルルームを中心とした総客室数160室のいわゆるビジネスタイプのホテルだが、このうち2室のみの最上級客室「BABAスイート」がサウナ付きルームになっている。ちなみに“BABA”は高田馬場の通称である「馬場」にちなむ。
BABAスイートを監修したのは、ホテル評論家の瀧澤信秋さん。評論家という立場上、瀧澤さんが特定の企業とコラボすることはあまりないが、今回はベッセルホテルが熱烈なオファーを出して実現したという。今回は自身も“サウナー”だという瀧澤さん本人に部屋を紹介してもらった。
BABAスイートは3階の302・303号室。全体のインテリアは「由縁 新宿」や「MUJI HOTEL」などを手掛けたインテリア・プロダクトデザイナーの中原典人氏が担当した。少しおしゃれな雰囲気ながら、自宅のように過ごせる客室を目指したという。
客室面積は50.2平米で、ダブルベッド2台の他にエキストラベッド2台が利用可能。リビングにはマッサージチェアもある。瀧澤さんによると、グレードが高めのホテルではすでにマッサージチェアが標準的な備品になっているとのこと。
と、ここで不意にバスタオルを腰に巻いた“入浴スタイル”に返信した瀧澤さん。件のサウナはこの扉の向こうにあるという。
扉を開けると脱衣所と洗面台があり、その奥に浴槽。そしてさらにその奥にサウナルームがある。サウナは定番のドライ式ではなく、あえてスチーム式サウナを採用。瀧澤さんによれば、15分程度でスチーム式の適温である40〜50℃に達するため、準備時間が短く手軽にサウナを楽しめるようになっているという。また、ドライサウナに比べて設置費用も抑えられるそうで、ホテル側にとってもメリットだ。
サウナで重要なのが水風呂だ。百戦錬磨のサウナー諸氏は並の水温では満足しないであろう。一般的な銭湯などは、水風呂を低温に保つために「チラー」という装置が使われている。ところがこのチラーは設置費用やランニングコストが高額で、スペースの問題もあるためホテルの客室に設置するのは現実的ではない。
「そこで、これを用意しました!」と瀧澤さんが見せてくれたのは、なんとホシザキの業務用製氷機。水を張った浴槽に氷をどんどん投入して水温を下げるという発想だ。付属のスコップで5杯分の氷を入れると、水温がおよそ1℃下がる計算だという。業務用なので氷切れの心配はなさそうだ。
水温はあっという間に14℃台に。「もっと氷を入れればさらに下げることもできますが、これくらいが安全に楽しめる温度です」という。ちなみにこの温度計も備品として客室に置いている。
そうこうするうちにスチームサウナの準備も完了。瀧澤さんは満を持してサウナの中に消えていった。
しばらくして、撮影のために扉を開けさせてもらうと、瀧澤さんがいい感じに仕上がっていた。スチーム式なので乾燥せず、髪や肌にも優しいという。
▲「見てください!」と手にしているのは温湿度計。「温度40〜50℃、湿度は80〜90%。スチームサウナの最適環境ですよ!」
スチームで効果的に発汗した瀧澤さん。疲労感も少ないという。そして準備していた水風呂へGO。
さて、サウナーの方ならここで「ととのいスペースがないじゃないか」と思ったのではなかろうか。サウナーの瀧澤さんが監修しているので、ととのいスペースももちろん忘れてはいない。
実は脱衣所がテラスにつながっていて、ドアを開けるとそこにはプライベート感のあるととのいスペースが。タープで覆われているので、外気を取り込みながらも外からの目線は気にならない。
▲至福の表情の瀧澤さん。外からは山手線の鉄腕アトムの発車メロディが聞こてくる
さらに、瀧澤さんが「実はこんなところもこだわっているんですよ」と見せてくれたのは2つの冷蔵庫。右側は一般的な小型冷蔵庫だが、左側は冷凍専用。アイスの保管は小型冷蔵庫の冷凍スペースでは心もとないが、これなら安心だ。
写真にはないが、ウェルカムドリンクとしてスパークリングワインやミネラルウォーターなども用意されている。サウナのあとはしっかりと水分を補給しよう。
▲テラスでスパークリングワインを開け、ととのい後の優雅なひととき。テラスからは高田馬場駅前のロータリーを見下ろせる
さて、サウナのあとの「サウナ飯」も忘れてはいけない。学生街の高田馬場には、あらゆるジャンルの飲食店が集結しているので、テイクアウトやデリバリーもしやすい。ホテルのソファテーブルといえばロータイプで食事に向かないことがあるが、BABAスイートのテーブルはやや高く、サイズも比較的大きめ。これも、客室での食事シーンを想定した瀧澤さんのこだわりなのだとか。
さらにBABAスイート限定で、テラスでのバーベキューを楽しめるプランも用意したという。準備や片付けはホテルのスタッフがやってくれるので楽ちんだ。高田馬場の喧騒をよそにサウナとBBQとは、なんと優越感ホテルステイだろうか。
▲無煙ロースターを使うので、せっかくのサウナ後に煙を浴びることもない
BABAスイートは最大6名で利用できるので、パーティーなどに使うのもOK。料金もサウナ付き客室としては比較的リーズナブルに設定されているので、学生でも使いやすい。友人同士でととのいながら、春休みの思い出づくりをしてみてはいかがだろう。