JR東日本、「高輪築堤」2027年度にも現地公開へ AR・VR活用で当時の景観再現

JR東日本は、高輪ゲートウェイ駅前の再開発用地で出土した明治時代の鉄道遺構「高輪築堤跡」について、保存対策を行った上で2027年度から現地公開すると発表した。

高輪築堤は、1872年に日本初の鉄道が当時の新橋〜横浜駅間に開業した際、海上に敷設された鉄道敷の遺構。2019年4月の品川駅改良工事で石積みの一部が見つかり、その後の発掘調査の結果、橋梁の橋台などが約1.3キロにわたって良好な状態で残っていることが判明した。

2021年9月17日に第7橋梁部と公園部が国の史跡に指定されたことを受け、JR東日本は保存活用計画を策定。今年5月26日に文化庁長官の認定を受けた。

今後、2027年の現地公開に向け、杭や築石、盛土を保存するための基本対策を進める。また、発掘時に失われていた築石や盛土、バラスト、レール、橋梁などの再現を検討するほか、拡張現実(AR)や仮想現実(VR)を活用し、鉄道が走っていた当時の景観も再現する計画だという。