アムステルダム・スキポール空港の発着枠一時削減、裁判所が認める

アムステルダム・スキポール空港

アムステルダム・スキポール空港の発着枠削減をめぐる裁判の控訴審で、航空会社側が敗訴した。

控訴審では、バランス・アプローチの下での義務に違反するとした判決を覆し、オランダ政府は条件を満たすことで、一時的な実験として、今年の年末から2024年10月にかけて、発着枠を削減することが可能であるとした。オランダ政府は年間の運航便数を44万便へ段階的に減らす計画を発表していた。

KLMオランダ航空は声明で、「裁判所は、実験的な規制をどのように適用できるかを具体的に明示していない。そのため、この判決がいつ、どのように、どのような形で実施されるのか、またスキポール空港の航空機の発着回数にどのような影響を及ぼすのか、現時点では不明」とした。

IATAのウィリー・ウォルシュ事務局長も声明で、「これは旅行者、荷送人、オランダ経済、航空会社にとって残念な結果。私たちは、この判決とその複雑さを検討する中で、オランダ政府の意図を明確にすることを求める。この決定が、計画されている量量の削減に与える影響の全容は不明であり、このような逆行的な措置のための確立された国際的なプロセスは存在しない。また、我々は欧州委員会に対し、自国の法律と航空協定を守るよう求める。そして最も重要なこととして、我々はオランダ政府に対し、地元住民の騒音懸念に対処するための最も効果的かつ国際的に認められた唯一の手段であるバランス・アプローチに立ち返るよう求め続ける」とコメントした。

KLMオランダ航空は6月15日、環境に配慮した運航計画を提出している。