ANA国際線、羽田2タミから3年3か月ぶり再開 1日5便が出発

全日本空輸(ANA)は7月19日、羽田空港第2ターミナル発着の国際線の運航を約3年3か月ぶりに再開した。初便となったのは午前8時55分発の香港行きNH859便(ボーイング787-8型機、機体記号:JA832A)で、169人が利用した。

羽田空港では2020年に予定されていた国際線大増便に備え、それまで国内線専用だった第2ターミナルの南側に国際線施設を増築。同年3月29日に全面供用を開始した。71番〜73番スポットは国際線専用、66番〜69番スポットは時間帯によって国際線と国内線を使い分ける「スイング運用」で、当初は全日本空輸(ANA)の北米・欧州・アジア・オセアニア方面の国際線21路線が乗り入れる計画だったものの、新型コロナウイルスの感染拡大により、オープンからわずか13日の同年4月10日を最後に閉鎖された。

羽田空港を発着するANAの国際線は、2020年5月末にはコロナ禍前の1割弱の便数まで減少したものの、日本の水際措置撤廃や各国の入国制限緩和により段階的に再開。今年7月時点ではコロナ禍前と同水準まで回復している。

運用再開時点では、午前8時55分発の香港行きNH859便、午前9時50分発の台北/松山行きNH851便、午前9時55分発のロンドン行きNH211便、午前10時5分発の上海/虹橋行きNH969便、午後1時20分発の台北/松山行きNH853便の1日5便が第2ターミナルから出発する。ANAによると、当初これらの5便でスタートするのは機材運用の都合など総合的な判断によるもので、10月9日から始まる冬ダイヤでは便数をさらに拡大する計画だという。到着便は運用状況により当日決定する。「ANA SUITE LOUNGE」、「ANA LOUNGE」は午前5時から最終便の出発まで営業する。

ANAの井上慎一社長は「3年3か月待ちに待った日がやっときた」と喜びをあらわにし、「日本経済を盛り上げていくための要になる」と力を込めた。

再開初日の7月19日は午前5時の国際線施設の開館に合わせて、ひまわりの花を手にしたANAのグランドスタッフ6人が出発ロビーに立ち、利用客を歓迎。初便のNH859便のチェックインが始まる午前6時25分には、グランドスタッフ26人がカウンター前に整列して一礼した。NH859便は午前8時53分に73番スポットを出発。地上では井上社長やANA社員が横断幕で見送った。

第2ターミナルからはその後、午前9時52分にNH851便(ボーイング787-8型機、機体記号:JA829A)、同10時2分にロンドン行きNH211便(ボーイング777-300ER型機、機体記号:JA795A)、同10時12分に上海/虹橋行きNH969便(ボーイング787-8型機、機体記号:JA838A)、午後1時17分に台北/松山行きNH853便(ボーイング787-8型機、機体記号:JA808A)が出発した。なお、到着便は上海/虹橋発のNH968便の1便のみだった。

▲午前5時の開館を前に、準備が進む第2ターミナルの国際線施設

▲利用客を迎えるANAのグランドスタッフ

▲初便のチェックイン開始時刻に一礼するANAのグランドスタッフ

▲初日のラウンジ利用者に配られた記念品のクッキー