東海道新幹線、20年ぶり新車内チャイム始動 JR東海「旧チャイムと同様に長く愛して」

JR東海は7月21日、東海道新幹線で20年にわたって使われた「AMBITIOUS JAPAN!」の車内チャイムを、歌手のUAさんが歌う新曲「会いにいこう」に変更した。

2003年10月1日の東海道新幹線品川駅開業に合わせて制作された「AMBITIOUS JAPAN!」は、アイドルグループ・TOKIOの28枚目シングルとしてリリースされ、同年11月24日から東海道新幹線の車内チャイムとして使われるようになった。始発駅の発車後と終着駅の到着前はAメロの一部、途中駅の到着前と発車後はサビの一部をアレンジしたチャイムが流れていた。

7月21日の始発列車から使われる「会いにいこう」は、JR東海が2月16日から展開している同名のキャンペーン向けに、音楽家の岩崎太整さんが書き下ろした楽曲。新チャイムは始発・終着駅、途中駅共通で、サビの冒頭から約10秒分のメロディをアレンジしたものになっている。

チャイム変更に携わったJR東海広報部東京広報室の佐治まさみさんによると、チャイム用音源の制作は2月頃からスタートした。メロディパターンやテンポが異なる数種類の候補を岩崎さんに制作してもらい、社内でのヒアリングなどを経てパターンを決定。メロディは岩崎さんが鍵盤楽器のチェレスタやビブラフォンで演奏した。旧チャイムの「AMBITIOUS JAPAN!」が20年にわたって使われるほど好評だったことから、印象を大きく変えないようにアレンジしたという。佐治さんは、「コロナ禍のトンネルを抜けるような明るい印象に仕上がった。『AMBITIOUS JAPAN!』と同様に、長くたくさんの方に愛していただけるチャイムになれば」と話す。

実はN700SとN700Aでは、搭載されている音源のデータが異なる。佐治さんによると、両車両ではスピーカーの性能に差があるため、どちらの車種でも同じように聞こえるよう、音域ごとの音の強弱などが調整されているという。

▲JR東海広報部 東京広報室 佐治まさみさん

チャイムが切り替わった7月21日、東京都内の多くの公立校では、新型コロナが感染法上の5類に引き下げられてから初めての夏休みが始まった。佐治さんは、「会いたい人に会いに行けない状況が続いたが、ようやくかつての日常が戻ってこようとしている。新しい時代のスタートとして、この車内チャイムで日本を元気にしていきたい」と新チャイムに込めた思いを語った。