中国からの団体旅行解禁 ANA利用の第一号ツアーが羽田に到着

中国政府が日本への団体旅行を8月10日に解禁したことを受け、北京からのツアー客18人が23日夜、北京/首都発の全日本空輸(ANA)962便で羽田空港に到着した。解禁以降、ANA便で到着したツアー客はこれが初めて。

ツアーは中国の大手旅行会社が催行するもので、北京の日本大使館に団体ビザを申請した第一号の団体客だという。添乗員1人を含めた計19人のうち、10人が団体ビザを利用した(ほか9人は個人ビザ利用)。8月27日までの4泊5日で都内のほか鎌倉、富士山などを周遊する行程で、1人あたりのツアー代金は6,980人民元(約13万9,600円)だという。

ツアー客の一人で北京市の大学生・徐梓暢さんは、夏休みを利用して参加。日本を訪れるのは5回目で、「今回は特に食事にお金をかけるつもり。すき焼きを食べたい」と話した。

ANAの中国路線は現在、北京線や上海線を中心に11路線で週62往復を運航している。10月29日から始まる冬ダイヤでは、団体旅行解禁による需要増を見込み、東京/羽田〜広州線と大阪/関西〜北京/首都線を再開するほか、東京/羽田〜青島線を開設するなど、13路線76往復に拡大する。それでもコロナ禍前と比較した運航便数は5割弱に留まる。

国際線の便数拡大にあたっては、特に地方空港ではグランドハンドリングや保安検査の人材不足が課題になっている。ANAはパソコンなどをカバンから取り出さずに手荷物検査ができるスマートレーンの導入を拡大するなど省人化に取り組んでいるが、政府や地方自治体と連携して一層の省人化・人員確保を進めたいとしている。