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JR東海が野球界と異色コラボ 元ロッテ里崎さんら、リニアで子どもたちに「夢」与える
子どもたちに夢を持つことの大切さを感じてもらおうと、JR東海は9月16日、日本野球機構(NPB)とのコラボで、プロ野球OBと交流しながら超電導リニアに体験乗車するイベントを開催した。
抽選で招待された小学1・2年生の親子38組76名が、元千葉ロッテマリーンズの里崎智也さんらと野球を楽しんだり、リニアの実験線で時速500キロでの試験走行を体験したりした。
東京駅に集合した子どもたちは、まずは東海道新幹線の貸切車両に乗って静岡・三島市にあるJR東海の総合研修センターへ。三島駅までの乗車時間は40分ほどだが、車内にはこの日のために作られた特別デザインのヘッドレストカバーが用意された。
研修センターに着くと、里崎さんのほか、元東京ヤクルトスワローズの村中恭兵さん、元東京読売巨人軍の西村健太朗さん、元中日ドラゴンズの井端弘和さんの4名のプロ野球OBが登場。センター内のグラウンドで、球界で名を馳せた4名による野球教室が開かれた。秋らしからぬ暑さの中、子どもたちは東海道新幹線N700Aの再生アルミで作られたバットを手に、ティーバッティングやミニゲームを楽しんだ。
▲野球教室を終え、新幹線車内でプレゼントされたヘッドレストカバーにOB4名のサインをもらう子どもたち
続いて、子どもたちは里崎さんらとともに山梨・都留市のリニア実験センターへ。全長42.8キロメートルの実験線で、最高時速500キロでの走行試験を行っている試験車両「L0系改良型」に乗り込んだ。
現行の新幹線の約1.5倍に及ぶスピードを体験した子どもたちは、「速かった」「揺れなかったし、乗り心地がよかった」と興奮した様子。同乗した里崎さんも、「かなり静かで、振動もなかった。目隠しして乗ったら500キロ出ているかわからないと思う」と車内の静粛性に驚いていた。
リニア中央新幹線は、品川〜名古屋駅間の先行開業に向けて工事が進められている。里崎さんは「例えば名古屋で試合を見終わったあと、泊まらずに東京に帰れるようになる。選手だったら(当日)移動ゲームがなくなるかもしれない」と移動の多い野球選手ならでは視点で語り、「ビジネスでも観光でも、時間短縮できて楽しみが増えるのでは」と話した。
JR東海によると、今回のイベントの倍率は約8倍にのぼったという。里崎さんは、鉄道と野球のコラボによって子どもたちの興味の幅を広げる効果があったとしたうえで、「多角的にいろいろなコラボをすることによって、0を1にするというのが大事」と言及した。同社は今後も、子ども向けに限らず、様々な年代に向けてリニアに親しんでもらうための取り組みを続けたいとしている。(リニア車内・実験センターでの写真:JR東海提供)