ANAフライングホヌ3号機、グランドスタッフら有志が客室清掃 あすデビューへ準備着々

全日本空輸(ANA)は10月19日、エアバスA380型機「FLYING HONU(フライングホヌ)」の3号機(機体記号:JA383A)の運航があす20日から始まるのを前に、客室の清掃作業を行った。通常の作業スタッフに加え、普段はグランドスタッフなどとして勤務する社員有志9名も清掃に参加し、初めての乗客を迎え入れる準備を整えた。

ハワイの夕日をイメージしたサンセットオレンジの3号機は、2021年10月13日にエアバスからANAに引き渡され、16日に日本に到着。東京/成田〜ホノルル線への投入が予定されていたものの、コロナ禍でデビューのめどが立たず、成田空港に約2年間駐機されていた。運航開始に向けて9月28日に機体の洗浄作業が行われたが、機内を全面的に清掃するのは今回が初めてだという。

フライングホヌは、2階にファーストクラス8席、ビジネスクラス56席、プレミアムエコノミークラス73席、1階にエコノミークラス383席の計520席。清掃責任者を努めるANA成田エアポートサービス(NRTAS)グランドサービス部の蔭山みゆき課長によると、全212席のボーイング777-300ERでは清掃スタッフは15人、作業時間は55分。一方、フライングホヌの場合は25人で75分と、時間配分や人員配置の勝手に違いがあるという。

ボランティアとして参加した社員は、3号機の色をイメージしたオレンジ色のマスクを着けて参加。スタッフの指導を受けながらエコノミークラスの44列目〜50列目の計66席の清掃を担当し、約25分かけてテーブルや個人モニター、窓に付いた指紋や汚れを1席ずつ拭き上げ、安全のしおりやアメニティ類をセットした。

NRTAS旅客サービス部の高橋優さんは、「定時運航に尽力している清掃スタッフのプロの技を学び、真新しい3号機をさらに綺麗にするお手伝いをしたい」と志願して参加。3号機の機内に入るのは初めてだといい、「いつも機体を遠くから見ていたのでわくわくしている。明日、高く飛び立っていく姿を早く見たい」と笑顔を見せた。

3号機の初便は、東京/成田を10月20日午後9時半に出発し、ホノルルに現地時間の同日午前10時5分に到着するNH182便。20日以降の東京/成田〜ホノルル線は、ハワイの空をイメージしたANAブルーの初号機(同:JA381A)、ハワイの海をイメージしたエメラルドグリーンの2号機(同:JA382A)を合わせたフライングホヌ3機体制とになる。

▲清掃道具を積んだハイリフトトラックがつながれたフライングホヌ3号機

▲清掃を手伝う社員有志

▲社員有志が清掃を担当したエコノミークラスの座席

▲機内清掃を終え、10月20日のデビューを待つフライングホヌ3号機