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1,200円で半個室気分、早くも争奪戦? 東海道新幹線に導入された「Pシート」に乗ってみた
JR東海は10月20日、東海道新幹線で3人掛けシートの中央席に仕切りを置き、1人で1.5席分のスペースを使えるようにしたビジネス向けの新たな座席「Pシート」の運用を始めた。
7号車に設定しているビジネス向け車両「S Work車両」に導入するもので、6〜10列目の3人掛け座席の中央席(B席)を廃してパーティションを設置。窓側・通路側席(A・C席)の占有スペースを拡大させ、隣の座席からパソコンの画面が見えないようにした座席だ。
ちなみに、JR東海の担当者によれば、Pシートの「P」は“Partition”(パーティション)のほか、“Powered by”(〜を装備した)、“Proceed”(進行する)にちなむそうで、「設備がよく、作業が捗るシート」と解釈できる。
パーティションの台座部分には小物置きとドリンクホルダーが付いており、スマホやイヤホン、バッテリーなど、ちょっとしたものを置いておくのに便利だ。
背面テーブルは手元にスライドさせると傾斜する機構を採用。そもそも筆者の体格ではこれまで座席からテーブルまでの距離が遠いと感じていたため、飛行機のテーブルのように手前にスライドできるようになっただけでかなり使い勝手が向上したと感じる。ただし、スライドさせると必然的に傾斜する構造なので、駅弁を食べたりしたい場合は元の位置のままで使わないと不安定になるので注意。
また、7号車は全席のリクライニング可動域が通常の半分程度になっているので、前の人が背もたれを倒しても圧迫感がない。とはいえ当然ながら自分の席もあまり倒せないので、そこはお互い様といったところ。
先述の通り、Pシートには窓側(A席)と通路側(C席)を選べるわけだが、筆者のおすすめはA席。壁とパーティションに挟まれているので、半個室のようなか感覚で使えるからである。しかも、(Pシートに限らず言えることだが)N700Aに当たった場合、基本的に窓側席にしかコンセントが付いていないので、C席だと電源に困る可能性があるからだ。ただし、C席の人がずっと作業をしている場合、A席では通路との出入りがしにくいので、トイレが近い人は避けたほうがいいかもしれない。
▲10月20日当日に照会した日中の「のぞみ」の座席表。左が下り列車、右が上り列車。全体的に空いていても、Pシートは満席
料金は通常の指定席料金プラス1,200円。当初はインターネット予約サービス「EXサービス」のみで予約を受け付けるが、2024年春頃からは駅の窓口や券売機等でも購入できるようにするという。筆者個人としては、この料金で1.5席分のスペースを確保できるのであれば、ビジネス目的以外でも進んで利用したいという感想だ。JR東海によると「当面の間はこの料金」とのことなので、将来的には値上げされる可能性もありそうだ。
いずれにしても、Pシートは各列車に10席しかないプレミアムなシートなので、争奪戦は必至。予約はお早めに。
▲10月20日から全列車で運用が始まったPシート。担当者によると、短期間で全編成への導入を完了できるよう、一晩で簡単に改造できる構造を開発したという