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ANA、「ANA Future Promise Prop」就航 3機目の緑塗装機
全日本空輸(ANA)は、持続可能な社会の実現を目指す「ANA Future Promise」をテーマとした、DHC-8-Q400型機の特別塗装機「ANA Future Promise Prop」(機体記号:JA461A)の運航を、10月23日から開始した。
機体は、「ANA Future Promise」のテーマを表現する「水と緑」をモチーフとしたデザイン。二酸化炭素排出量の削減に向け、空気抵抗を低減させる「サメ肌効果」が期待できるリブレット加工を施したフィルムを気流を整えるために装備された整流板(ベントラル・フィン)に貼付し、機体の空気抵抗低減や二酸化炭素排出量削減、耐久性などを検証する。保有する全機材の約8割に装着した場合、年間30万トンの二酸化炭素は排出量を削減できるという。
機内には、甲子化学工業が製造する北海道猿払村のホタテの貝殻を再利用した「カラスチック」で作られた「安全のしおり」を搭載する。価格は4倍となるものの、大量生産が可能になればコスト削減につながるという。低温や高温下、洗浄などでの耐久性などを検証し、機内食のトレーや食器などのプラスチックの置き換えなども検討する。さらに、青森県のベンチャー企業appcycleが開発した青森県産のりんごで作ったジュースの搾りかす「リンゴテックス」を使用したヴィーガンレザーのヘッドレストカバーを導入する。脱プラスチックの玩具として、「ANA Future Promise」をテーマにした絵本を子供向けに用意する。
また、同機材では二酸化炭素排出量を機内アナウンスで案内する。ターボプロップ機のDHC-8-Q400型機はボーイング737-800型機とほぼ同等の時速約670キロで飛行できるものの、重量1トンあたりの燃料消費量も10%程度少なく済むという。
那覇空港のMRO Japanで定期整備に合わせて塗装を実施し、きょう23日に空輸便となるEH5542便として、沖縄/那覇を午前8時に出発し、同5分に離陸。大阪/伊丹には午前10時3分に着陸、同8分に到着した。初便は大阪/伊丹発青森行きのANA1853便で、乗客74名を乗せて、定刻の午後2時15分に出発し、同20分に離陸した。運航を担うANAウイングスの勝岡陽一代表取締役社長と社員が横断幕を持って見送った。今後、地方路線を中心に運航する。
「ANA Future Promise」の特別塗装機は、ボーイング787型機「ANA Green Jet」2機に次いで3機目で、「ANA Green Jet」は、「ANA Future Promise Jet」に改称する。