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JALとヤマトの貨物専用機、初号機が成田到着 尾翼にクロネコ、11月下旬から飛行訓練
日本航空(JAL)とヤマトホールディングスが2024年4月から運航する貨物専用機の初号機(A321ceoP2F型機、機体記号:F-TWAX)が11月6日朝、シンガポールから台北を経由して成田空港に到着した。
両社は2022年1月、首都圏と北海道、九州、沖縄を結ぶ貨物専用便の運航を開始することを発表。エアバスA321ceoを貨物機に改修したA321ceoP2Fを、ヤマトホールディングスがリースで3機(JA81YA、JA82YA、JA83YA)導入する。最大搭載重量は1機あたり28トンで、メインデッキにはAAYコンテナを14台、ロワーデッキにはAKHコンテナを10台搭載可能。運航はJALグループのスプリング・ジャパンが担う。
機体の改修作業は、エアバスとシンガポールの工学メーカーのST Engineeringが共同で設立した、ドイツのエルベ・フルクツォイヴェルケ(EFW)が担当。初号機の改修は5月8日からシンガポールで行われていた。
航空機の位置情報を提供するFlightradar24によると、初号機はFDZ007便としてシンガポールのセレター空港を現地時間11月5日午後8時43分に出発。経由地の台北・桃園国際空港には同6日午前1時39分に着陸し、午前4時25分に出発。成田空港には日本時間午前8時14分に着陸した。
機首付近にはクロネコが子猫をくわえて運ぶ姿をモチーフにしたヤマトグループのシンボルマーク、垂直尾翼にはアドバンスマークが描かれている。到着時の機体記号はフランス国籍を示す「F-WTAX」だったが、今後、予約登録されている「JA81YA」に変更されると見られる。11月下旬から東京/成田〜北九州〜大阪/関西〜東京/成田間で運航乗務員の飛行訓練を始め、2024年4月から東京/羽田・東京/成田〜札幌/千歳・北九州線と、東京/成田〜沖縄/那覇線、沖縄/那覇〜北九州線で運航を開始する。国内の他空港、近距離アジアへの展開も見込む。
国内の物流業界をめぐっては、2024年4月から長距離トラックドライバーの年間残業時間の上限が960時間となることによる輸送力低下や、自然災害による物流網寸断リスクといった課題が浮上している。JALとヤマトホールディングスは新たな輸送手段として貨物専用機を取り入れることでこれらの課題に対応し、輸送力確保やサービス品質維持を図りたい考え。