JALの777-200ER「JA703J」、羽田から最後の出発　きょう定期運航終了

2023年11月12日

日本航空（JAL）で最後の1機となったボーイング777-200ER（機体記号：JA703J）が、きょう11月12日で最終運航を迎える。最終日は東京/羽田〜札幌/千歳・沖縄/那覇線を各1往復しており、東京/羽田発のラストフライトとなる沖縄/那覇行きのJL917便が午後2時21分に出発した。

777-200ERは、短・中距離国際線で使われていたDC-10型機の後継機として、2002年8月にデビューした機体。全11機が導入され、東南アジア線やホノルル線などに投入されていたが、コロナ禍に伴う事業構造見直しに伴い、国際線からは2021年に離脱。11機のうち5機は国内線に転用され、国際線時代にビジネスクラスだったヘリンボーン配列のフルフラットシート「JAL SKY SUITE III」をそのままクラスJとして使用して、クラスJ26席、普通席286席の312席仕様で運航されていた。国内線に転用された機材も、近年になってエアバスA350-900型機への置き換えが進み、今年5月以降はJA703Jが最後の1機となっていた。

JA703Jは2003年2月3日に受領した機体で、直近では国内幹線や臨時便などに投入されていた。11月10日から運航最終日のきょう12日までの3日間はスケジュールを固定し、東京/羽田〜札幌/千歳線のJL505/506便、東京/羽田〜沖縄/那覇線のJL917/916便に投入されている。

最終日のきょう12日は、1便目は札幌/千歳行きのJL505便として東京/羽田を午前8時15分に出発し、午前9時39分に到着した。利用客は152名（クラスJ26名、普通席126名）だった。

2便目となる折り返しの東京/羽田行きJL506便は、札幌/千歳を午前10時48分に出発し、午後0時34分に東京/羽田に到着。315名（クラスJ26名、普通席283名、幼児6名）が利用した。

JL506便が到着した7番スポットの隣の8番スポットには、福岡発東京/羽田行きのJL308便に投入されたボーイング777-300ER型機（機体記号：JA732J）が駐機しており、長短異なる2種類のボーイング777型機の並びが実現した。この光景を一目見ようと、第1ターミナルの展望デッキには大勢の航空ファンが集まった。

東京/羽田発のラストフライトとなる3便目の沖縄/那覇行きJL917便の出発時には、ファンから贈られたという花束や、777-200ERの写真をプリントしたチョコレートがゲート前に飾られた。また、同便を担当する機長があいさつに立ち、「20年ほど前に初めてこの型の777に乗ったとき、大きなエンジン出力にもかかわらずとても操縦性の高い飛行機で、感銘を受けたことを覚えている」と、初めて777-200ERに乗務したときの思い出を披露した。