JALニューヨーク線・最新ファーストクラス 飛行機であることを忘れさせる空間とは?【搭乗レポート(前編)】

現実とも、飛行機とも思えない、空間にただただ戸惑うばかり

最近では飛行機の客席にディスプレイがあることはそこまで珍しいことではない。だが、このファーストクラスは見慣れた「飛行機のディスプレイ」ではない。いや、画面があるというところは同じであるが、それ以外全部違うのだ。

ファーストクラスで作り出される自分だけの空間のなかで、飛行機と思えない大きな、それでいて繊細な4K個人モニターを眺める。43インチのディスプレイも存在自体は特に珍しくないが、飛行機では最大級のサイズであり、さらにそれが全く画質の粗さを感じさせない4K解像度であるから、いよいよ自分が飛行機の中にいるかわからなくなる。

わからなくなった後、プライベート空間の心地よい閉塞感や、シートベルト、エンジンなどの音で、飛行機の中にいることを確認させられて、機内の中にいるという認識に引き戻される。

ディスプレイに限らず、ファーストクラスの様々な要素が、今までのファーストクラスの客席の知識・経験や飛行機の体験と乖離していて、はっきり言えば、短時間で理解することが難しい。この記事を書きながら理解しつつあるが、それでも、あの空間に本当にいたのだろうか、と時折夢見心地になる。

本当にあの空間は何だったのだろうか。

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