FDA、グリーンの4号機が退役 唯一の中古機、全国各地へ13年半運航

フジドリームエアラインズ(FDA)は3月9日、グリーンの4号機(エンブラエル170型機、機体記号:JA04FJ)を退役させた。2010年10月に導入した同社唯一の中古機で、同社としては初の退役機となった。

2009年7月23日の就航当初から保有しているドリームレッドの1号機(エンブラエル170型機、機体記号:JA01FJ)とライトブルーの2号機(エンブラエル170型機、機体記号:JA02FJ)、2010年1月28日から運航しているピンクの3号機(エンブラエル175型機、機体記号:JA03FJ)に続いて導入された4番目の機体。

機体は2006年に製造され、かつてはリパブリック航空などで運航されていたもの。2010年に日本航空(JAL)が撤退した松本〜札幌/千歳・福岡線を引き継ぐことに伴い、急遽増機が必要となったことから、新造機ではなく中古機が選定された。FDAは機体ごとに異なるカラーリングを施しており、グリーンのカラーはインターネットでの人気投票で決定した。

米・オハイオ州コロンバスで検査と改修作業、ミシシッピ州グリーンビルで塗装作業が行われた機体は、ポート・コロンバス空港からセントジョンズ、ポンタ・デルガタ、アルメリア、ラルナカ、ドバイ、ネータージー・スバース・チャンドラ・ボース、マカオを経由して、2010年10月12日に静岡空港に到着。路線投入は同年10月17日で、初便は静岡発熊本行きのFDA111便だった。

東日本大震災が発生した2011年には、救援物資を運ぶ静岡空港〜花巻空港間の特別便として活躍。同年7月15日には松本市観光大使に就任し、2016年10月に同色のグリーンをまとった11号機(エンブラエル175型機、機体記号:JA11FJ)が役目を継承するまで、同市の観光誘客のために活用された。

運航最終日の3月9日は、福岡発松本行きのFDA200便、松本発神戸行きのFDA233便、神戸発青森行きのFDA833便、青森発名古屋/小牧行きのFDA364便、名古屋/小牧発出雲行きのFDA417便、出雲発名古屋/小牧行きのFDA418便の計6便に投入された。

ラストフライトとなったFDA418便は、満席となる77名(うち幼児1名)の乗客を乗せて午後6時44分に出雲空港を出発。午後7時41分に小牧空港に到着すると、展望デッキではグリーンのペンライトを持ったFDA社員や大勢の航空ファンが出迎えた。「13年間ありがとう」と書かれた横断幕を持って最後の到着を見届けたFDAの楠瀬俊一社長は、「離着陸の回数は約28,000回、飛んだ時間は約30,000時間。大きなトラブルもなく、よく頑張ってくれた」とこれまでの活躍をねぎらった。

FDAによると、4号機は小牧空港に残り、部品取り用として活用される予定。機体の一部をアップサイクルした商品の開発も計画しているという。