東海道新幹線で「走る寿司屋」 グリーン車貸切、板前同乗でコース料理

JR東海は3月24日、東海道新幹線に都内の有名寿司店の板前が同乗し、車内でコース料理を振る舞う「おいしい新幹線」を運行した。

東海道新幹線を号車単位で貸し切る「貸切車両パッケージ」を活用し、プレジデントが発行する食の雑誌「dancyu」とのコラボとして開催されたもの。グリーン車の一部を貸し切った東京発名古屋行きの「こだま721号」に、東京・四谷の寿司店「後楽寿司 やす秀」の板前が同乗。運び込んだネタを使って車内で寿司を握り、コース仕立てで提供した。

内容は赤身、平目、トロ、小肌、イカ、金目鯛、車海老、穴子の握り8貫と、鮪海ブドウ、ウニの小丼2種、タコの柔らか煮、カラスミ、蒸しアワビ、あん肝、小肌とガリの和え物、蛍烏賊のボイルのつまみ6種。同店の人気メニューや定番ネタ、沿線地域の旬のネタなどを取り揃えた。

ペアリングの日本酒も、神奈川・泉橋酒造の「とんぼ スパークリング」、静岡・神沢川酒造場の「正雪 純米大吟醸 雄町 PASSION-15」、静岡・花の舞酒酒造の「花の舞 くらふとなま 純米生酒」と、沿線の銘柄がセレクトされ、参加した63名の乗客は午前11時27分の東京駅出発から午後2時6分の名古屋駅到着までの約2時間40分、“走る寿司店”で贅沢なひとときを楽しんだ。

JR東海によると、今回のイベントにあたっては、千代田区保健所の指導のもとで営業許可を取得したという。同社は、「今後も貸切車両パッケージを通して、移動の価値向上に取り組んでいきたい」としている。