羽田のANA訓練施設に「マリンジャンボねぶた」お目見え 地元の高校生が制作

羽田空港近くにある全日本空輸(ANA)の総合訓練施設「ANA Blue Base(ABB)」に3月27日、1990年代に運航されていたボーイング747-400Dの特別塗装機「マリンジャンボ」(機体記号:JA8963)の「ねぶた」がお目見えした。

ねぶたは全長約2.5メートル、幅約2メートルで、マリンジャンボのカラフルな機体デザインや、747型機特有の2階建て部分の盛り上がった造形を忠実に再現。主翼両端のナビゲーションライトや、胴体上下のアンチコリジョンライトも点灯する。

マリンジャンボは国内航空会社における特別塗装機の先駆けともいえる機体で、ANAの累計搭乗者数5億人突破を記念して1993年から1995年にかけて運航されていた。デザインは当時小学生の女の子の作品が公募で選ばれ、全体を大きな青いクジラに見立て、魚やクラゲなど様々な海の生き物を描いている。

▲マリンジャンボねぶたの制作の様子(2023年10月25日)

ねぶたを制作したのは、東京・大田区の都立六郷工科高校の生徒たち。同高校では毎年11月に総合学習の一環で「六郷ねぶた祭」を実施しており、マリンジャンボねぶたは2023年度の祭りに合わせて制作したもの。他のねぶたは武者やキャラクターを題材にしたものが大半だが、2022年度の実行委員長を務めた生徒が大の航空ファンだったことから、ANAにコラボを打診。同社のお墨付きを得て、エアバスA380型機「FLYING HONU」の3号機(機体記号:JA383A)をモチーフにしたねぶたを制作した。ちなみにホヌねぶたは現在、成田空港のANA成田スカイセンターで展示されている。

マリンジャンボねぶたはそれに続くコラボ第2弾で、制作にはANAの客室乗務員も参加。紙貼り作業を手伝った。2023年11月18日に行われた祭りで地元の商店街を練り歩いたあと、同校の昇降口に展示されていたが、ANAに譲渡されることになり、3月27日にABBに運び込まれた。

搬入を手伝った生徒の小川遼也さんと小原優太さんは、「思い入れがあるねぶた。展示するところにも携われて感慨深い」と笑顔。制作を指揮した同校の石川英臣教諭は、「生徒たちが8か月かけてつくった。多くの人に見てもらい、生徒の努力を感じ取ってもらえる機会が増えるのはうれしい」と話した。

ねぶたはABBのツアーエントランスに展示されており、見学ツアーなどの際に目にすることができる。