ANA、熊本にボーイング777Fを初運航　週1〜2便の就航検討

2024年3月30日

全日本空輸（ANA）は、大型貨物機のボーイング777F（機体記号：JA771F）を、3月29日に熊本空港へ初運航した。

熊本では、台湾の半導体製造大手のTSMCが菊陽町に工場を建設したほか、ソニーグループや東京エレクトロン、ホンダなどの工場が集まる集積地で、半導体関連や自動車部品などの輸送需要が見込まれている。大型の半導体製造装置は大型貨物機でしか運ぶことができないなどの制約があるという。熊本へは半導体製造装置や半導体関連製品、自動車関連品、熊本からは中国への半導体製造装置、半導体関連製品、イチゴやトマト、タイや車海老などの鮮魚の輸送を見込む。

運航は定期便化を見据え、熊本県、熊本国際空港と連携して実施した。空港ハンドリング、電子通関システム、荷主企業の輸送プロセスなど、一連のハンドリングを確認することで、物流の増加に対応する。ハイリフトローダーを羽田空港から陸路と海路で輸送したほか、地上職員も熊本へ送り込むなど、対応にあたった。需要を見極めて、週1〜2便の就航を検討しているという。

東京/成田発のNH9197便は、熊本に午後7時15分に到着。香港や上海などからコンテナ3台、約1トンの貨物を輸送した。折り返しのNH9198便は、台湾や上海、シカゴへパレット8台、約12トンを載せ、午後8時41分に出発した。

ANAは、半導体関連の国際輸送需要を見据え、2023年10月に熊本空港へ電子通関システム（NACCS）を導入し、通関手続きの簡素化が可能となっており、今回はANAとして初めて、NACCSを活用した輸入税関業務を行った。

ANAが2機を保有するボーイング777Fは、2019年7月から運航を開始。貨物積載量は約100トンで、半導体製造装置や航空機エンジンなどの大型貨物も輸送できる。