IATA、ドイツの航空旅客税引き上げを批判

フランクフルト国際空港

国際航空運送協会(IATA)は、ドイツの航空旅客税の引き上げに対し、「経済を弱体化させ、脱炭素化を妨げる」と批判した。

5月1日からドイツの航空旅客税は19%引き上げられ、路線によって15.33ユーロから70.83ユーロとなった。ドイツの国際線旅客数は、コロナ前より20%少ない状態が続いており、欧州連合(EU)の中で最も回復が遅れているという。

ウィリー・ウォルシュ事務総長は、「ドイツ経済が芳しくないときに、航空への課税強化で競争力を低下させることは、政策的に狂気の沙汰である。政府はドイツの競争力を向上させ、貿易と旅行を促進する対策を優先すべきだ。それどころか、経済の長期的な成長にダメージを与えるだけの短期的な現金収奪に走った」と強く批判した。

航空業界の弱体化により、燃料効率の高い航空機の導入や脱炭素化への取り組みへの投資を難しくするものとしており、航空税からの収入を持続可能な航空燃料(SAF)への清算に直接充てるとの当初の約束は破られたとしている。IATAによれば、政府によるグリーン税制に対し、75%が「課税は航空を持続可能なものにする方法ではない」と回答したという。