谷川岳ロープウェイ、「谷川岳ヨッホ」に名称を変更 12月1日から
羽田線就航に沸くグアム 朝5時着でどう過ごす?
国内各地でオーバーツーリズムが問題となる中、長引く円安や物価高の影響か、日本人の海外旅行マインドはなかなか上向かない。コロナ禍を挟んで海外旅行の機会がめっきり減ってしまったという人も少なくないだろう。そんな中、欧米やハワイなどと比較して安価で身近な旅行先として再注目されている場所の一つがグアムだ。
日本からの直行便も続々と増えている。まず日本航空(JAL)が東京/成田から週5往復を運航中。さらに、ユナイテッド航空が東京/成田から週32往復(1日最大5便)、大阪/関西から週10往復、名古屋/中部・福岡から各週7往復を飛ばしている。さらに5月1日には同社が東京/羽田〜グアム線を週7往復で開設し、羽田とグアムが初めて直行便で結ばれることとなった。こうして見ると、便数の面では思ったよりも行きやすそうだと感じるのではないだろうか。
東京/羽田〜グアム線はボーイング737-800型機での運航。往路は羽田を午後11時55分に出発し、グアムには翌午前4時45分に到着するという深夜便。復路はグアムを午後7時に出発し、羽田には同10時に到着する。
早朝着の羽田線でリゾートゴルフへ
早朝到着という往路便の特性を最大限に活かせる使い方の一つが、ゴルフ旅行だ。到着日の朝からラウンドができるので、2〜3日の短期滞在でも十分に楽しめる。「空港から移動して、ゴルフ場に着くのが午前6時頃。ゆっくり朝食を食べながら1時間くらい休憩して、ティータイム(開始時間)の午前7時からプレーできる。バリューがあるのでは」と羽田線を歓迎するのは、グアム空港から車で約30分、ジョーニャ地区の丘陵にあるゴルフ場「カントリークラブ・オブ・ザ・パシフィック(CCP)」の長野光志営業部長。「空港からすぐゴルフに行けるというメッセージを発信していきたい」と羽田線をプロモーションに活かしていきたい考えだ。
CCPは18ホール中15ホールから海が見えるという、グアムらしい景観のコースが特長だ。カートでフェアウェイに乗り入れることができ、1日中プレーしても疲労感が少ない。長野部長は「景色が良く、カジュアルに回れるコース。初心者の方にもローハンディキャップの方にも堪能していただけるのでは」とアピールする。
アーリーチェックインプランを活用せよ
この数年で、新たな宿泊施設や商業施設の開業も相次いでいる。2023年4月には星野リゾートのファミリー客向けブランド「リゾナーレ」が、海外展開第1号として「星野リゾート リゾナーレグアム」を開業した。オンワードが2022年まで運営していた「オンワード ビーチ リゾート グアム」を取得・リブランドしたもので、全428室のうちオーシャンフロントの客室から望むハガニア湾は絶景だ。
羽田線の就航に合わせて、午前6時から客室を利用できるアーリーチェックインプランが設定された。「到着日も朝食を提供している。部屋で少し休憩して、ホテルで朝食を食べてから買い物に出かけたり、プールで遊んだりするといいのでは」と過ごし方を提案するのは、リゾナーレグアムの神宮幸穂総支配人。日本からグアムまでは約3時間半。機内であまり寝られない分、初日から元気に楽しむにはホテルで少し仮眠をとるのがよさそうだ。ちなみに、アーリーチェックインプランはこのほか、ザ ツバキ タワー、ホテル ニッコー グアム、リーガロイヤル・ラグーナ・グアム・リゾート、グアムリーフホテルなどの施設でも設定されている。
内装はオンワード時代からほぼ手を入れずにオープンしたが、今年5月から施設全体の改装を進めている。神宮総支配人は「多くのお客様に楽しんでいただけるよう、パブリックスペースから手を入れていく。客室の内装は検討中の段階」と、通常営業を行いながら徐々に改装を進め、5年後をめどに全体のリニューアルを完了させる計画だと説明する。
ホテルのコンセプトは「エッセンス・オブ・グアハン」だ。「グアハン」はグアムの先住民族・チャモロ人の言葉でグアムを意味し、「グアムの本質的な魅力を体感できるリゾートホテル」を目指すという。例えばホテル前のビーチでは火・木・日曜の週3日、チャモロ人のパーティをイメージした無料のバーベキューパーティーを開催。チャモロ料理の試食や、グアムの伝統的なダンスの体験もできる。神宮総支配人は「グアムはミックスカルチャーの面白い島。歴史的な背景や文化にフィーチャーしたイベントやおもてなしを提供して、地元の魅力を伝えていきたい」と意気込んでいる。
空港には24時間営業のレンタカー
島内の移動はレンタカーが便利だ。グアムでは国際免許証を取得しなくても、入国日から30日以内であれば日本の運転免許証だけで運転できる。グアム空港には24時間営業の日産レンタカーがあり、朝から車を借りられて安心。最初は右側通行のルールに戸惑うかもしれないが、走っているうちに慣れてくるだろう。
ピティ地区にある「フィッシュアイマリンパーク グアム」は、浅瀬に立つ展望塔からピティ湾の絶景を一望できる施設。併設されているビジターセンターには、亜熱帯の植物に囲まれたオープンエアスタイルのレストランが。ディナータイムに行われる太平洋の島々に伝わる歌や踊りをテーマにしたカルチャーショーは一見の価値がある。
週末を含むスケジュールの場合は、島の北部・デデド地区で土・日曜だけ開かれる「デデドの朝市」へ。ローカル料理や雑貨、野菜などの屋台が並び、地元の人で賑わう。ちょっと珍しい土産物を発掘しに行くのも楽しそうだ。
メイド・イン・グアムの味を求めるなら、首都・ハガッニャにある「カラバオ・ブリューイング」もおすすめ。2019年にオープンしたばかりのマイクロブルワリーで、クラシックなウエストコーストIPAから、ココナッツ風味のアメリカンポーター、コメを使った日本風のラガーまで、ユニークかつ多種多様なクラフトビールを醸造している。タップから注がれたばかりの一杯を自家製サンドイッチとともにその場で楽しむのが一番だが、ハンドルキーパーはお土産用の缶ビールを買って帰ろう。
グアム政府観光局(GVB)では、レンタカーやレストラン、アクティビティなど、現地の40か所以上の店舗で割引や特典が受けられるデジタルクーポンを提供中だ。航空会社や旅行会社のセールなども活用して、この夏は時間もお金も賢く使った旅を楽しみたい。(取材協力:グアム政府観光局)