米旅行見本市「IPW」、今年はロサンゼルスで開催 約70か国から5,700人集まる【レポート】

USトラベル・アソシエーションが主催する国際トラベルトレードショー「IPW」が、5月4日から7日にかけてロサンゼルスで開催された。

アメリカ各地の観光局や観光スポット、航空会社などが出展し、今年は約70か国からバイヤーやメディアを含む5,700人が参加した非常に大規模なイベント。今年で55回目の開催となり、ロサンゼルス・コンベンションセンターで行われた。

国際的なトレードショーの中ではメディアフレンドリーなイベントで、参加メディアは初日の4日にゲッティミュージアムでメディアブランチと美術館見学、午後はいくつか用意されたプレスツアーを選択して観光スポットを回った。

ロサンゼルス観光局の厚意で、日本メディア向けにドジャースタジアムツアーが用意された。やはり大谷翔平効果は絶大で、スタジアムツアーには日本語ツアーがある。前日、個人的にドジャース戦を観戦したが、ゴールデンウィーク中ということもあり、スタジアムでは日本人観光客を非常に多くみかけた。

翌日から本格的に商談会がスタートした。一日の流れは朝や午前はプレスカンファレンス、午後は商談会。最初のプレスカンファレンスはブランドUSAが主催し、退任が決まっているクリス・トンプソン社長兼最高経営責任者(CEO)による最後のプレゼンテーションで、最後は後任のフレッド・ディクソン氏を紹介する感動的なものだった。

この日の商談はメディア専用の広いスペースが用意され、200以上の観光局や観光スポットなどが参加していた。メディア専用スペースが確保されるのは、移動距離も短く、バイヤー商談に遠慮することなく話ができるため、ありがたいものだった。

翌6日からの商談会はバイヤーと同じ会場で行われた。商談会の会場に入ると正面には開催地、ロサンゼルス観光局のブースがあり、商談スペースとは思えない作りである。他各州のブースの作りこみもこれまで経験したトレードショーでは見たことのない高いクオリティで終始圧倒された。

IPWのクオリティには本当に驚かされた。会場となったロサンゼルス・コンベンションセンター前の広場では、商談会開始前や終了後に飲み物や軽食を楽しめるカリフォルニアプラザというエリアが用意されていた。カリフォルニアの各エリアが出店しているのだが、このクオリティがまたすごい。ゴールデンゲートブリッジが作られていたり、ピクサーキャラクターの大きなオブジェが飾られていたりしていた。さらに、会場前のデジタルサイネージにはカリフォルニア観光局の新グローバルキャンペーン「The Ultimate Playground(最高のプレイグラウンド)」の動画が流れており、会場内外での空間づくりに余念がない。

朝から夕方までスケジュールがいっぱいなのだが、夜もスケジュールがいっぱいだった。初日は 2028年のロサンゼルス五輪を見据えてロサンゼルス・メモリアル・コロシアムが貸切られてのオープニングパーティー。2日目と3日目も各都市のレセプションがあり、最終日はユニバーサル・スタジオ・ハリウッドを貸切ってのクロージングパーティー。 ちなみに、そのすべてがホテルから大型バスでの送迎される。

これだけの投資を回収できると見込めるアメリカのスケールの大きさと懐の深さ、また、そのクオリティの高さには大変驚いた。2025年はシカゴで6月に行われる予定だ。(取材協力:USトラベル・アソシエーション、各政府観光局)