小学生の親子、A380「FLYING HONU」と綱引き対決 約340トンの機体、20メートル動く

成田空港で10月6日、全日本空輸(ANA)のエアバスA380型機「FLYING HONU(フライングホヌ)」と小学生の親子が綱引きで対決する催しが開かれた。

飛行機との綱引き対決は、同空港を運営する成田国際空港(NAA)が1993年から毎年9月20日の「空の日」に合わせて実施している恒例イベント。近年の対決相手はボーイング767型機や787型機などだったが、今年は成田市の市制施行70周年を記念して、A380型機が初めて登場した。

A380型機は旅客機としては世界最大となる総2階建ての飛行機で、全長72.7メートル、全幅79.8メートル、高さ24.1メートル。フライングホヌは1階にエコノミークラス383席、2階にファーストクラス8席、ビジネスクラス56席、プレミアムエコノミークラス73席の全520席を備える。ANAが保有する3機のうち、綱引きの対決相手となったのはブルーの初号機(機体記号:JA381A)。直近ではホノルルを現地時間10月4日に出発する東京/成田行きのNH181便に使用され、5日午後3時48分に到着していた。

イベントには1,193組3,403名の応募の中から抽選で選ばれた147組400名(小学生196名、保護者204名)が参加。関東地方のみならず、北海道や高知県から参加した親子もいた。NAAによると、例年の倍率は3〜4倍程度だが、今年はA380型機が登場することもあり、約8.5倍にまで膨らんだ。

成田空港のNAA本社で行われた開会式では、ANAの岡功士支店長が「A380との綱引きイベントは日本で初めてだが、恐らく世界でも初めてではないか。楽しんでほしい」とあいさつした。

綱引き対決は参加者グループを2つに分け、B滑走路の南側のU誘導路(447番〜450番スポット付近)上で2回に分けて行われた。

このうち前半のグループには、小学生86名、保護者88名の174名が参加。フライングホヌのノーズギアに装着されたトーバーにつながった約100メートルの綱をつかみ、笛の合図で一斉に引っ張った。NAAによると、この日の機体重量は燃料を含めて約340トン。最初はびくともしなかったが、参加者が掛け声に合わせて綱を引き続けると、ゆっくりと動き出した。最終的には機体が約20メートル前進したところで“勝負あり”。フライングホヌからあげた大金星に、大人も子どもも大喜びだった。

参加者はその後、ANAの格納庫に移動し、トーイングトラクターやデアイシングカー(除雪氷車)などの特殊車両の見学や、フードローダーの体験乗車などを楽しんだ。

なおANAによると、綱引き対決に登場した初号機は、東京/成田を6日午後9時30分発に出発する
ホノルル行きのNH182便に使用される予定だという。