【謹告】本誌運営会社、JHATを東京地裁に提訴 信用毀損で賠償求める

本誌「TRAICY(トライシー)」を運営するトライシージャパンは、ホテル運営会社のJHATに対する民事訴訟を東京地裁に提起した。

本誌によるJHATによる補助金不正受給事件を報じた記事に対し、JHATが今年7月から8月にかけて、トライシージャパンの記事を掲載する複数の取引先企業に対して、「名誉権の侵害」として虚偽の事実を提示し、記事を掲載しないことを要求し、信用を毀損した民法709条・710条に基づく損害賠償を求めるもの。

JHATは、エイチ・アイ・エス(HIS)子会社のミキ・ツーリストやジャパンホリデートラベル、旅工房、トラベル・スタンダード・ジャパンとの間で、不泊など実態が伴わない旅行による給付金の不正受給が発覚。観光庁は2021年12月に調査結果を発表し、返還請求を行った。

その後トライシージャパンでは、2022年12月に代理人弁護士を名乗る、のぞみ総合法律事務所の吉野弦太弁護士(テレビ東京放送番組審議会委員、Bリーグ裁定委員会委員長)を名乗る人物から、「JHATや平林氏がGo To トラベル事業で不正を行った事実はない」という趣旨のメールを受信した。

加えて、2023年7月から9月にかけてアメリカのデジタルミレニアム著作権法(DMCA)に抵触するとの虚偽の申請を行い、JHATや代表取締役の平林朗氏に関わる不正に関する記事の非表示を申請し、実際に非表示となった。

旅工房、HIS出身の取締役と執行役員が退任 JHAT平林朗氏と”紋別タッチ”仕掛け人の中島和彦氏
https://www.traicy.com/posts/20211216227620/

JHAT、「全国旅行支援」に参画せず Go Toで不正受給
https://www.traicy.com/posts/20221008251839/

トライシージャパンではこれらの内容から、JHATと平林朗氏がDMCA法を悪用し、自社の悪評を非表示にすることで、不正な手段で悪評を検索結果等から削除するとともに、メディアに掲載される広告表示を減少させ、損害を与えたものと結論付け、損害賠償を求める方針を示し、訴訟の可能性を検討していた。このうち、取引先に対する虚偽の事実の提示に関して、訴訟に足る証拠が揃ったことから、訴訟の提起に至った。本訴訟にはDMCA法に基づく虚偽申請に伴う、損害賠償は含まれていない。

トライシージャパンの訴訟代理人は、顧問弁護士のモノリス法律事務所が務める。事件番号は令和6年(ワ)第28899号、係属部は東京地方裁判所民事第16部乙係。