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駅弁文化を世界へ 花善ら3社、チューリッヒ中央駅で試験販売
駅弁の製造販売を手掛ける花善、まねき食品、松浦商店の3社は12月2日、駅弁文化の世界展開をめざすコンソーシアム「EKIBEN WORLD TEAM(EWT)」の立ち上げを発表した。まずは2025年2月6日から27日までスイス・チューリッヒ中央駅で3社の駅弁を期間限定で販売する。
EWTは3月19日に発足。パリに現地法人を持つ花善の八木橋秀一社長が会長、台湾やタイでの販売実績を持つまねき食品の竹田典高社長が副会長を務め、農林水産省やJR東日本グループなどが支援する。
駅弁はチューリッヒ中央駅地下街のポップアップスペースで販売。各社2種類、計6種類を取り扱う。花善は「鶏めし弁当」(19.5スイス・フラン)、「ベジ弁当」(17スイス・フラン)、まねき食品は「スイス牛の牛めし」(22.5スイス・フラン)、「幕の内弁当」(20スイス・フラン)、松浦商店は「大えび天むす」(12スイス・フラン)、「みそかつ重」(19スイス・フラン)を販売する。1日あたりの販売数は25個〜30個程度。
各商品とも、各社の担当者が現地に渡航して製造を担当。米飯は日本で炊飯・冷凍した「あきたこまち」を使用し、その他の食材は全て現地で調達したものを使用する。事前に現地で行われた試食会では、関係者から「今あるスイスの日本食の一歩上を行っている」、「20スイス・フランならお手頃に感じる」といった声が聞かれたという。
今後は欧州の他の駅での販売も視野に入れる一方で、EWTの八木橋会長は「ポップアップはあくまでファーストステップ」と強調。最終目標は日本で製造した冷凍駅弁を輸出し、現地で常設販売することだといい、まずは現地製造の駅弁でテストマーケティングを行いたい考えだ。
冷凍駅弁の輸出にあたっては、「HACCP」と呼ばれるEU向けの衛生基準をクリアする必要などがあり、2026年頃の実現をめざす。八木橋会長は「将来的には出来たてと変わらない日本の味を世界で楽しんでもらいたい」と展望した。