HIS子会社のナンバーワントラベル渋谷、雇用調整助成金を不正受給 約1.3億円を返還

エイチ・アイ・エス(HIS)

エイチ・アイ・エス(HIS)は、連結子会社による雇用調整助成金の受給が、東京労働局から不正受給に該当するとして支給決定取り消しと返還通知書を受領したと発表した。

ナンバーワントラベル渋谷は、2020年3月から2023年3月までの間、雇用調整助成金の不正受給を行っていた疑いがあるとして、東京労働局による調査を受けていた。調査の結果、実際には就労していた日に休業していたとする虚偽の申請書類を作成し、雇用調整助成金を不正に受給していたと判断された。

不正受給額は1億970万9,914円で、違約金を含めて1億3,165万1,896円を返還する。別途受給日から返還日まで、年3%の延滞金が発生する。

代表取締役社長のRANJAN KUMAR DASDEB氏がHISによる辞任勧告を受けて、2024年12月26日付で辞任している。さらに、RANJAN氏は月額報酬の50%を1か月、取締役1名は同5か月分、役員報酬を減額する。

連結決算への影響は軽微であるとしているものの、グループに対する特別調査委員会の調査は継続中で、結果は調査報告書の受領後に発表する。2024年10月期の決算発表時期は、現時点で未定としている。

■経緯
2024年4月上旬 ナンバーワントラベルが東京労働局より関連書類の提出要請を受ける
2024年7月下旬 ナンバーワントラベルが労働局に回答書を提出
2024年11月上旬 ナンバーワントラベル経営陣に対する聴取によって、HISがナンバーワントラベルで申請内容と実際の勤務管理に乖離あった旨を確認
2024年11月上旬 HISより会計監査人に、経緯を報告
2024年11月下旬 アンダーソン・毛利・友常法律事務所 所属弁護士にレビューされた回答書を東京労働局に提出
2024年12月13日 HIS報酬委員会にてナンバーワントラベル経営陣の報酬減額を決定
2024年12月26日 HISからの辞任勧告を受け、ナンバーワントラベル代表取締役社長が辞任
2025年1月27日 東京労働局から「雇用調整助成金支給決定取消及び返還通知書」を受領、ナンバーワントラベルの取締役会で速やかに返還することを決議

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