JAL、グラハン車両の電動化進める 羽田空港で本格運用

日本航空(JAL)は、グランドハンドリング作業に使用する地上支援機材(GSE)の一種であるハイリフトローダー(HL)とベルトローダー(BL)を電動化し、羽田空港で本格運用している。

HLは航空機に貨物コンテナやパレットを搭載する車両、BLは旅客機にバラ積みの手荷物などを搭載するための車両。JALグループでは国内空港全体でハイリフトローダー計約220台、ベルトローダーを同280台配備しており、大型機のハンドリングではHL2台、BL1台を1組として運用している。

2024年12月17日に羽田空港に導入されたのは、電動HL2台と電動BL1台。電動HLはドイツ・TREPEL製の「CHAMP 70Se Neo」で、約4〜5時間のフル充電で約半日稼働でき、大型機2〜2.5便分のハンドリングが可能。全長13.7メートル、全幅3.5メートル、全高3.1メートル、車両重量18,010キロ、耐荷重7トン。

電動BLはスペイン・EINSA製の「CEA-14」。ハイリフトローダーに比べて電力消費量が少なく、約4〜5時間のフル充電で約2日稼働できるという。全長7.7メートル、全幅2.1メートル、全高2.3メートル、車両重量3,826キロ、耐荷重1080キロ。

充電形式は両車種とも3相200ボルト・60アンペアで、スポット3番と6番の搭乗橋下に設置された共通の設備で充電が可能。

JALによると、日本の航空会社として電動HLと電動BLを導入するのは初めて。軽油を燃料とした従来の車両と比べ二酸化炭素(CO2)排出量がゼロとなるほか、静音性の向上によりオペレーターの労働環境改善にも寄与するという。

JALは今年度末までに電動HL2台と電動BL1台を追加導入する予定。その後は既存車両の老朽化更新に合わせて追加導入を検討していくとしている。