カッパやアイドルも静岡空港に集結 FDAのファンミーティングに密着

フジドリームエアラインズ(FDA)は2月2日、「FDAファンミーティング at 富士山静岡空港」を開催した。ファンミーティングは2023年3月5日に初めて開催され、今回で4回目。これまでは愛知県営名古屋空港(小牧空港)が会場だったが、今回は静岡空港の開港15周年を記念して、FDA創業の地である静岡で初めて開かれた。

イベントには全220組の応募の中から、約6.3倍の倍率をくぐりぬけた35組69名が参加した。4回目の開催にちなみ、2024年に退役した4号機(エンブラエル170号機、機体記号:JA04FJ)の機体カラーである「グリーン」をドレスコードに指定。参加者はもちろん、FDA社員も上着やマフラーなど緑色の服装やアイテムを身に着けて空港に集まった。中には緑色のフェイスペイントを施してカッパのコスプレ姿で参加した整備士もいた。

イベントは格納庫編、空港編、遊覧フライトの3部構成。第1部の格納庫編で参加者を待っていたのは、ローズピンクの15号機(エンブラエル175型機、機体記号:JA15FJ)。参加者は整備士による機体解説やコックピット見学を楽しんだ。機内の各座席には、各空港や部署のスタッフがイラストやメッセージをかきこんだヘッドレストカバーが取り付けられていた。

格納庫の一角に設けられていたのはグッズ販売ブース。この日の目玉商品は、4号機のノーズギアドアをイメージして作られたキーホルダー。これは4号機の胴体パネルを切り出したもので、エンブラエル機のフラップ部品を製造している岐阜県のメーカーに加工を依頼したという。また、4号機のフラップのトルクチューブ、垂直尾翼の点検パネル、アンチコリジョンライトなどの廃品がオークション形式で販売され、注目を集めていた。

▲SKE48のメンバーで飛行機好きだという鈴木愛來さん

さらに、イベントには特別ゲストとして、アイドルグループ「SKE48」の鈴木愛來さんが2024年9月に導入されたばかりの客室乗務員の3代目制服を身に着けて登場。大の飛行機好きだという鈴木さんは、実は母親とともにプライベートでイベントに参加しようと考えていたと明かし、「まさかゲストとして呼んでいただけるとは。うれしい」と笑顔を見せた。

▲機体にメッセージを書ける寄せ書きコーナーでは、鈴木さんも「いつも素敵なフライトをありがとう!」とピンク色のペンで書き込んだ

鈴木さんはFDAのカラフルな機体がお気に入りだといい、「搭乗する日まで何色なのかわからないワクワク感がある」と“FDA愛”を披露。特に好きな機材は、グループ内での自身のイメージカラーでもある水色の2号機(エンブラエル170型機、機体記号:JA02FJ)だという。

続く第2部の空港編は、整備士による航空教室と制限エリアのバスツアーという内容。航空教室ではFDAが運航するエンブラエル機の機体やパーツの値段を当てるクイズ大会が行われ、タービンブレード1枚の値段が約300万円と発表されると、会場からどよめきが起こった。また、場周道路を1周するバスツアーでは、着陸機を滑走路に誘導する計器着陸装置(ILS)や、飛行機に方位情報や距離情報を提供する超短波全方向式無線標識施設と距離測定用施設(VOR/DME)など専門的な設備の説明に加え、小動物捕獲用の罠など山を切り拓いて建設された静岡空港ならではの設備の紹介もあった。

ランチタイムをはさみ、午後はチャーター便で富士山を眺める遊覧フライト。この日は南岸低気圧の接近で朝からあいにくの空模様だったが、フライトの時間が近付くにつれて天候が徐々に回復した。

▲ この日はFDA社員も“全力で楽しむため”、ニックネームで参加。遊覧フライトの機内アナウンスでは「この便の機長は“ともくん”、副操縦士は“かっしー”、客室を担当するのは“がっきー”、“りかちゃん”です」とクルーの紹介があった

遊覧フライトの機体は午前の格納庫編でも登場した15号機。富士山の標高にちなんだ便名のJH3776便は、午後2時24分に5番スポットを出発。エンジンをフルパワーにしてからブレーキを解除して一気に加速する「ロケットスタート」でRWY12から離陸した。

離陸後は一度駿河湾に抜け、富士川の河口付近から富士山に向かって北上。通常よりも低い高度約5,000メートルを保ちながらで飛行した。やがて雲海の間から顔を出した富士山が右の機窓に迫ると、参加者はその姿に釘付けになっていた。遊覧フライトは左右両側の機窓から富士山を間近に見られるよう、富士山の西側を2往復し、午後3時26分に静岡空港に帰着。お土産にFDA社員からのメッセージ入りのヘッドレストカバーを受け取った参加者は、満足そうに帰路に就いた。

▲客室乗務員の3代目制服姿で登場した鈴木さん(左から2人目)

▲緑色がドレスコードということで、カエルの被り物を身に着けた参加者も

▲客室乗務員からギャレーの説明を受ける親子

▲ヘッドレストカバーにはFDA社員からのメッセージが

▲寄せ書きコーナーで15号機の機体にメッセージを書く参加者

▲15号機の機体に寄せられたメッセージ

▲グッズ販売ブースの目玉商品、4号機の胴体パネルで作られたキーホルダー

▲タービンブレードの説明を受ける男の子

▲遊覧フライトで富士山を写真や動画におさめる参加者

▲遊覧フライトで参加者と交流する客室乗務員

▲遊覧フライト終了後、参加者と交流する客室乗務員

▲お土産としてメッセージ入りのヘッドレストカバーをプレゼント

▲緻密なイラストが描かれたものも

▲「4」のポーズで記念撮影