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郵船クルーズは2月20日、建造中の大型新クルーズ客船「飛鳥Ⅲ」について、7月20日に就航すると発表した。就航後は現行の「飛鳥Ⅱ」との2隻体制となり、両船合わせて総トン数10万超トン、乗客定員約1,600名と、日本の外航クルーズ客船運航会社としては最大規模となる。
7月から10月にかけて、オープニングクルーズとして17本を設定する。初航海は横浜発着で7月20日から26日にかけて函館と小樽を巡る行程で、旅行代金は984,000円〜4,786,000円。各クルーズの予約は4月3日から受け付ける。郵船クルーズによると、「飛鳥(初代)」と「飛鳥Ⅱ」がこれまで寄港した場所の中で最も寄港数が多い都市が函館だったことから、最初の寄港先として選んだという。
「飛鳥Ⅲ」は総トン数52,200トン、全長230メートル、全幅29.8メートル、デッキ数13デッキ、喫水6.7メートル。客室数は385室、乗客定員744名、乗員約470名。船籍港は横浜で、現在、日本船籍で最も大きい客船である「飛鳥Ⅱ」(総トン数50,444トン)を上回り、日本船籍としては最大のクルーズ船となる。
建造はドイツ北部・パペンブルグの造船会社、マイヤーヴェルフトが担当。現行の「飛鳥Ⅱ」はクリスタル・クルーズ「クリスタル・ハーモニー」を改装したものであるため、郵船クルーズとしては1991年10月28日竣工の「飛鳥(初代)」以来、約34年ぶりの新造船導入となる。
客室クラスはペントハウス、スイート、バルコニーの3種類。全ての客室タイプにプライベートバルコニーとキッチンシンク付きのミニバー、バスタブが付いており、客室内のタブレット端末で船内施設や寄港地観光ツアーの予約ができる。
ペントハウスは最上級客室のロイヤルペントハウス(114.8平米)2室と、グランドペントハウス(93平米)4室の2タイプ計6室。それぞれリビング・ダイニングルーム、ベッドルームのほか、海を望むバスルーム、書斎などを備える。両タイプともバトラーサービスが付き、寄港地ツアーやアクティビティ等がインクルーシブとなっている。
スイートは船首の両サイドに位置するキャプテンズスイート(87.1平米)が4室、船尾の両サイドに位置するパノラマスイート(67.3平米)が8室、アスカスイート(48.5平米)8室、ミッドシップスイート(44.3平米)が54室、ジュニアスイート(33平米)が8室の5タイプ計82室。このうち、アスカスイート2室とミッドシップスイート2室はユニバーサル仕様となっており、客室面積もやや異なる。
全54室のミッドシップスイートのうち47室の内装は、47都道府県をテーマにしたものとする。1部屋ずつ各都道府県を割り当て、その地域の伝統工芸品や特産品を使ったウェルカムスイーツなどを提供する。
バルコニーはアスカバルコニー(22平米)が271室、一人向けのソロバルコニー(19.4平米)が26室の2タイプ計297室。アスカバルコニーは全客室タイプ中、最も客室数が多い。
レストランはフレンチの「ノブレス」、イタリアンの「アルマーレ」、割烹「海彦」、オールデイダイニング「フォーシーズンズ・ダイニングルーム」、ビュッフェレストラン「エムスガーデン」、グリル料理「パペンブルグ」の6か所。このほか、プールやバー、カフェ、ラウンジ、テラス、展望大浴場、フィットネスジム、シアター、カジノ、ブティックなどを備える。船内ではスペースXの衛星通信サービス「Starlink」を使ったフリーWi-Fiサービスを提供する。
横浜市内で開かれた会見で郵船クルーズの遠藤弘之社長は、世界と比較して日本のクルーズ市場は拡大の余地があると指摘。2隻体制によって旅の選択肢をさせることで利用客の裾野を広げていきたい考えを示し、「『飛鳥Ⅲ』の就航を契機に、市場のさらなる成長を力強く推進していきたい」と強調した。
今後「飛鳥Ⅱ」では、1泊のショートクルーズからロングクルーズまで、四季折々の日本の魅力や海外の雰囲気を堪能できるテーマ型クルーズを中心に展開。一方の「飛鳥Ⅲ」では、3泊以上のロングクルーズを中心に、多彩の選択肢の中からスタイルに合った過ごし方を選べる自由度の髙いクルーズを展開する方針だという。